山中俊治さんという著名なプロダクトデザイナーのお話しの受け売りなんですが……
山中さん、仕事にかかる時の「ウオーミングアップ」として、まっさらなスケッチブックにいくつもの「円」を描くんだそうです。工業製品をちゃんと描くためには、円および楕円は基本、なんですね。
僕も、学校卒業後、最初はプロダクトデザインの会社にグラフィックデザイナーとして就職したという変な経歴が(別に変じゃないか)あるんですがそこのプロダクトデザイナーの先輩も、似たような事やってた気がします。
で、山中さんの言う綺麗な円の描き方ってのが面白いのでご紹介。
『普通は「丸」を描こうとすると、ある点から出発して、あたりを一周回ってきて出発点につなぎますが、これだとつなぎ目がいびつになります。空中に少し浮かせた状態でペン先を一定のスピードで円運動させながら当たりを付け、軌道が安定してきたところで、ふわりと着地させます。そのままするすると一周以上、紙の上を走らせてから、すっと浮上させるのです。始まりも終わりもない悠久の円運動を作り、その一部を紙に定着させる。このテクニックは私が最初に覚えたデザイナーの技になりました。今でもスケッチを描く前には、初心に返って、一枚の紙を楕円で埋めつくすことから始めます。』
さっそく僕もやってみましょう。
……なんか歪んでる?
(ちょっと周回させ過ぎ、です。たぶん)
ま、これはコンパスのごとく「正円」を描くのが目的ではないです。意外と面白いし、なんだか無心になれるので一度お試しあれ。