昨日は青山のTEPIAへ、Too主催のCS5のセミナーに行ってきました。
いましたね、さっそくiPadでメモをとったりしてる人(笑)。
アドビの方が講師で、前半はCS5の機能紹介。Illustratorは劇的に変わったという感じではなく。ま、仕事の95%くらいはIllustrator使ってるわけで、あんまり極端に変わられても困るのですが。パース機能とか矢印ツールの進化とか、細かなブラッシュアップという感じです。
Photoshopの進化はえげつない。使い手側の意図で、というよりはPhotoshop側が色々考えてくれて処理する、というタイプの機能が増えていましたが、どちらかと言うと「あくなき気合いと根気と意地」での画像処理が多い僕としてはそれらに対して面白いなとは感じたものの、実際の仕事での実画像レベルで、いささかギミックと言えなくもないそれら新機能を使う機会がどれくらいあるかと考えると若干冷静な気持ちになります。ただ、ラフ用のカンプ画像作りには色々便利そうですね。例えば僕も拙ブログの「Candid photograph」の写真には生意気にも(C)マークと社名ロゴの著作表示を入れてますが、そういったものを消してしまうといった作業はかなり簡単になりそうで、と、いうことはですね(以下自粛)……。
後半は「クロスメディアに対応したコンテンツをつくるワークフロー」というタイトルの話しで、要するにスマートフォンやらiPadやらという時代でデザインの作り方はどうしましょうか、という話しで、僕はこっちが聞きたくて出掛けて行ったわけですが、なにせ講師がアドビ社の方ですから、案の定、少し歯切れが悪かったような。実際「えー、Android携帯ですとか、様々な電子デバイスが…」みたいな表現をしてて、iPhone、iPadという単語は使われなかった。iPhone、iPadのFLASH非対応というのは、きっとアドビの皆さんとしてはコーヒー吹き出しながら椅子から滑り落ちるようなニュースだったでしょうね、勝手な想像ですが。
CS5のIn Designで、かなり動的なコンテンツが作れることはわかりました(工夫次第では相当使えそうですね。僕の今のスキルで充分こなせそうですし。あれならちょっとしたWEBコンテンツやイベント会場でのプロモーションコンテンツとかに使える気がする)。が、アドビとしては結局それをswf形式に書き出すというのを基本前提としていたっぽい。ぽい、というかきっとそうだったのでしょう。それがここにきてFLASHコンテンツの、演題でもあったクロスメディア対応という根幹部分にちょっと怪しさが出てきた、というのが現状なのでしょうかね。もちろんepubとかpdfに仕立てる分には問題ないのだろうけど、それだとせっかくのIn Designの動的要素がどこまで生かせるのか? Xcode、という言葉も出てきたけど(なんだかどさくさ紛れに、と感じたのは僕だけかな?)、あくまでもデザイナーには「コード」という単語を意識させないのがアドビ製品だと(これまた勝手な想像ですが)思うわけで、最後まで話しを聞いてみて、結局、実際、いかなるワークフローがデファクトスタンダードになるのか、我々もアドビ社もそしてアップル社もまだ模索中、というのが実情なんだろうな、と勝手に想像した次第です。なんだか勝手な想像ばっかりですが。
ただなにしろ、iPadみたいなデバイス(それがもたらす世界の予想図を今の時点で明確に描くのは確かに難しいですが)は、少なくとも僕らの作る広告物の閲覧場所として一定の比率は形作るでしょうから、どんな作り方をしたら面白いのかなあと常に意識を持っておくことは必要かなと。とりあえずはやっぱり「あくなき気合いと根気と意地」だな、と、わかってんだかわかってないんだかわからない結論を胸に帰途に着くアタクシでした。