デザインの現場から。と言いつつほぼデジカメの噺。
by MASANOBU HIZAWA(アートディレクター/グラフィックデザイナー)
http://www.neelmartin.com/
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

5D Mark IIの動画
デジカメの動画機能、と聞くと、なんとなく動画「も」撮れますよというオマケ機能のように思っていたのですが、いやーこれは凄いですね。



ピューリッツアー賞カメラマンのVincent Laforet氏が、新発売のCanonの5D Mark IIで撮った動画ですって。
なんだか「ヒート」や「マイアミ・バイス」のマイケル・マン監督の映画みたいな感じしません? 
ヴィンセントさんのサイトで、もっと綺麗な状態で見れますよ。
同氏のブログで、メイキングも見れます(出た、「メイキング・フェチ」!)。
機材コストについては従来の概念が壊れるんじゃないでしょうか。ヴィンセントさんも(…って、さっきから馴れ馴れしく呼んでますが、ギズモードの記事で今日初めて知った人なんですけどね)数十万ドルの映画機材に匹敵するような仕事ができたと言ってるそうです。
「ほう、5D Mark II買えばオレにもこんな映像が撮れんのか」と錯覚したそこの人! 机に頭突きしてください。がんっ(←真っ先に頭突きしてるアタクシ)。映像のセンスはあくまでもヴィンちゃんの(だから馴れ馴れしいって)才能によるものです。
しかしいずれ、全編スチールカメラのビデオ機能で撮った映画、なんてのが遠からず出て来るような気もしますね。いや「スチールカメラ」「ビデオカメラ」という観念が少なからず変わってしまうのかも(ちと恐ろしい気もしますけどね)。
デザイン書でカウンタックのリベンジを。


秋分の日。午後から書店を何軒かハシゴする。取り組み中のパンフレットの、サムネイルレベルでのアイデアはだいぶ固まってきてるので、カンプ作りのための素材資料集めです。案件の性質上、今回も僕が直行するのは例によって料理本とデザート本の棚。料理本を脇に抱え更にデザート本を物色してる僕を、周辺の女性客が畏敬の眼差しで見ている。あるいは単に奇異な物を見る眼差しだったりして。何度か書いてますがここ数年というもの、仕事で書店に雑誌を見に行くとなればレディースファッションかベビー関係かフード関係、いずれにせよ女性誌ばっかりが対象になってます。今度なにか「月刊・世界の武術」とか「武士道マガジン」とか男くさい資料が必要になるような案件も入れないと、そのうちホルモンバランスか何かに支障をきたすことになるかもしれない。
何冊かの雑誌を買って店を出ようとしたところで、出口付近のデザイン関連書の棚が目にとまる。何気なく近付いてみると良さげなデザイン本が平置きされている。デザイン事務所や広告代理店の「自社用」のビジネスツール(ロゴとか名刺とかレターヘッドとか)やオフィススペースのデザインばっかりを集めた本。平置きされたままのやつを片手でペラペラめくって、ふーん、いいけど、ま、買うほどでもないかと店を出る。でもなんか良さそうだったなと再び店内に戻り今度は両手で持って立ち読み。単に色んなロゴを集めたりした本より感じがいい。そりゃそうですね、クリエイターが自分用に作ったデザインなんだから気合い入ってるだろうし、余計な制約とかがないだろうからそのクリエイターの一番いい部分が出てるはずだろうし。買おうかなと裏返して値段見て、げ、高えとつぶやいて本置いて再び店を出る。50メートルくらい歩いてから「でもなあ」と足を止める。プラモデル買おうかどうしようか迷ってる小学生か俺は。
結局戻って買いましたよ。小学生の時は模型屋の前を行きつ戻りつした挙げ句、カウンタックの1/24モデルを買うのをあきらめたものでした。大人になるのも悪くないですね。
お客様相手だろうとスポーツは真剣にやるんですが…
早起きしーの、



朝焼けのアクアライン走りーの、



クライアントさんのゴルフコンペに参加しーの、



表彰式やりーの、



参加賞もらいーの、



帰りーの。
深夜特急


沢木耕太郎サンの「深夜特急」。社会人になってすぐの頃に一度読んだはずなんだけど内容をだいぶ忘れてしまっていたし、例えば学生時代に訪ねた旅先を大人になってから再訪するとまた新たな感動があったりするのと同じで、こういった名著---しかも紀行文だしね---ってのは年月を経てから再読するのもまた面白かろうと思い、昨年暮れにブックオフで第一便(深夜特急は第一便、第二便、という数え方をするのです)を買い、ちょびちょびと再読してたのですが、途中で他の本に浮気したり本読む暇の無い時期が続いたりで、第二便、マレー半島の中途あたりのところでぱったりと止まってしまっていました。
先月、部屋の机の上に置きっぱなしになってた深夜特急の、しおりの所を何気なく開いたら「俺はいったいいつになったらロンドンに着くのだろう」という沢木サンの記述があって、それは見事に僕の読み進み状況を指摘している感じで、思わず慌てて再読を再開。この夏は間断なく忙しかったもので移動の電車内くらいしか読む間がなく、今、ようやく第五便のギリシャの手前です。
読書感想文的なコトを書こうとするとベラボーに長くなってしまいそうなので、ざっくりと感想を一言で述べるならば、カッコイイ本ですねー(ざっくり過ぎです、なんぼなんでも)。いや描かれている旅路そのものはカッコイイばかりじゃないし、インドあたりではかなり色んな意味で沢木さんグダグダになったりもしてるんですが、なんというか出発の動機あたりも含め全体がもう、カッコいい。巻末の高倉健サンとの対談もカッコいい。カッサンドルのイラストを使った表紙のデザインがまたカッコいいし、そのイラストの美味しい部分がカバーの裏側に惜し気も無く折り返されてるのがデザイナーとしては信じられないのだけど(よくOKもらえたなあ、という意味でですよ)これまたカッコいい。
説教臭さ、みたいなのが無いのがいいんでしょうね。この紀行文を通して世の中に物申してやろう、みたいな欲がまるで無いのが爽やかなんだろうなあ。それは沢木サンの他の著書にも共通することですが。
沢木サン他の著書、と言えば……
「バーボン・ストリート」
「チェーン・スモーキング」
そして「一瞬の夏」。
もうタイトルからしてどれもカッコいいっすよねー。内容わかんないけどとりあえず買うか、みたいな気分になりますね。今気付いたんですが、この「一瞬の夏」というタイトル、ごくごく最近、どこかのグラフィックデザイナーが自身のブログのタイトルに盗用してますね……。しかも原著のほうは再起に懸けるボクサーを追った感動のドキュメンタリーですが、パクッてるほうはと言えば、単に「草野球で一回戦で負けた」というしょーもない話しで……。
一瞬の夏




16チームがぞろぞろと集結しまして……



一応、プラカード持って選手入場、とか、



選手宣誓、とか、始球式とかやるわけですが、
2時間ほど後には、



とっとと敗退して帰途についてるという。
いってしまった僕らの夏。

帰宅してシャワー浴びて、再びクルマ運転してオフィスに出て、仕事です(涙)。
アミノバイタルを「用量・用法」の2倍摂取してもなお残る筋肉痛だけが、野球した証。
スーツの日


先月提出してあった、とある協会のポスターデザインの競合案件で、僕のデザインが10社競合のうち最終選考の3社に残ってるらしく、本日は、代理店さん、プランナーさんと僕の3名で半蔵門のその協会に出向き幹部の方々をお相手にプレゼンテーションでした。ということで久しぶりにスーツ着ました。代理店のCD氏はまだ幾度かしか仕事したことはないのだけど凄く仕事のできる方。関西の人で、待ち合わせ場所で会うなり「あらヒザワさんも似合わへんスーツ切ることありますねんな」。
ありますねん。…似合わへんは余計です似合わへんは。
(ぜんぜん話し変わるんですが、仕事で初めてご一緒した方に「ご出身は関西ですか?」と聞かれることが結構多い僕。いえ北海道ですよと答えると皆驚きますね。どーも話しの節々に「偽関西イントネーション」がちょいちょい出るらしい。ダウン・タウンを筆頭にしたお笑いや阪神タイガースといった関西文化の影響でんねん。←ちょっと無理やり)

時間になり会議室に通されると、Uの字に組まれたテーブルに25名のクライアントさんがずらり。な、なぜそんな大人数?
我々の持ち時間は15分。代理店さんのCD氏は弁も立ち、冒頭、パネル出力を手に的確に要約を語ってくれる。ほんまもんの関西弁は耳に心地いいですね。プランナー氏も経験豊富な方で、次に企画意図を明確に語ってくれる。で3番目に満を持して僕が登場したんですが、、、なんだか言うべきことはお二人がもう語ってくれてたので、重複しないようにデザイン面での意図をサラっと語る。こういう時はゆっくりと、お相手との間の「空気の行き交い」みたいなものを意識しながら喋るのが大事(たとえば「〜だと考えます」と自分の考えを述べた後でもお相手の目を見て「うなずき」を受ける間を設けてやると、一方的なトークにならず、コミュニケーションが高まるものなんです)なんだけど、どうしても早口になってしまいますね。先輩お二人に比べると僕はまだ未熟。
とは言え、こうした場の必要性は理解してはいますが、でも「デザインの意図」は作品のデザインで表しているわけですから、言葉でのフォローはそう長々とやるもんじゃないというのも僕の考え。だって実際に街に貼られたポスターの前に僕が24時間立って、道行く人々に「あ、旦那さんこれはですね」と意図を説明するわけでない以上、雄弁であるべきはグラフィックであるべきで、言い方を変えれば「説明」をしなきゃ伝わらないポスターなんてポスターじゃないんですから。その意味では、今日のプレゼンは上手にできたのではないかな? キンチョーもせず喋れたし。
さて結果やいかに。やるべきことは納得のいく形でやったので、果報は寝て待て、です。いやまだ仕事あるんで駄目です寝たら。
ダルビッシュからポップフライ。
先日の北京五輪野球でも日本代表のエースとして活躍した、日本ハムのダルビッシュ投手と、真剣勝負してきました。







まるで等身大のビデオスクリーンにでも投影されているのではなかろうかと思うほど、ダルビッシュ投手いまひとつ立体感がありません。やはりメダル無しに終わったのがこたえて、痩せてしまったのでしょうか。投球フォームは相変わらずしなやかにして豪快。肘を柔らかに使った腕の振りはホレボレするほどなのですが、球速は時速90kmに留まっていました。傷心の青年の投球を打ち返すのはいささか気の毒だったのですが、こちらも明日に久々の試合を控えた身、ぶっつけ本番はマズイなと仕事をいったん中断しオフィス脇のコインパーキングに停めておいたアルファ君に飛び乗って調整にやって来ているわけですし、あれほどの投手に対して手加減するのもかえって失礼かなと思い本気でいかせてもらいました。

ポップフライばっかしでした……。

さて……打撃の勘が戻らぬ件はともかくとして、その後事務所に戻って働いているものの土曜夜11時の時点で仕事終わっとらんことが問題です。試合は明日朝7時半。その前に早朝3時からサッカーW杯予選もある。

パターン1 このまま3時前まで仕事して帰宅してサッカー観てそのまま野球へ(たぶん仕事のメドはつくでしょうが、グラウンドで命果てる可能性が)。
パターン2 今日はここで切り上げて、サッカー観戦は諦め寝て、仕事の残りは明日試合後に頑張る(日曜に野球終えてまた事務所ってのも侘しいなあそれ)。
パターン3 なんもかもほっぽり出して沖縄へでも……

3がいいなあ、3が。

(9月7日追記:グラウンドコンディション不良にて順延……やれやれ)


仕事中のあなたへ
友人が先日までフランス旅行に行ってたりとか、明日から遅めの夏休みだと言って若干浮かれてる感じの仕事仲間がいたりとかで、こちら深夜Macに向かいつつふと気付くと遠い目をしていいなーと呟くなど、いささかお仕事への集中力に欠ける今日この頃でございます。
ええ、同じような境遇の方も多いかと。
そんなあなたに、ギズモード・ジャパンのサイトで見つけた「束の間どこかに行った気分になる」映像をば、いくつか。
(動画機能を初めて使ってみる。再生ボタンを(広告バナーのほうじゃなく、下のやつ。これ広告は消せないのかな?)クリック、で動くはず…)



エアバスの新型機、A380(あの2階建ての。「スイートクラス」のあるやつ)の座席モニターに映し出される離陸風景の映像ですって。
機体カメラからの飛行時の映像自体はどこのエアラインでも見れますが、このカメラ視点がすごい。尾翼が24mもあるとちょっと別世界ですな。
友人がフランスに起つ時、「俺も乗せてけ〜。貨物室でも構わん。なんだったら垂直尾翼にしがみついてるんでもいいし」とメールしたんですが、それって実際やるにはかなり怖いことだというのが判りました。うーむ、A380、乗ってみたい(尾翼にじゃなく客席に、ですよ)。

次いでこれ。CGでもパース画でもないですよ。ドバイに建設中のビル。



ま、別に行ってみたいとは思わんですが。高さ818mとか(奥のほうに見えるちっこいビルが、六本木ヒルズとかそれくらいのサイズですかね)。昇り降りするだけで日が暮れるような気がする。このビル、上のほうはオフィスが入るらしいですが、お昼休みに会社の先輩とかに、地上にホカ弁当買いに行ってこいとか言われたらそれだけで昼休み終わりますよね。はるばるエレベータ乗って上階まで戻ったところで「あ、ゴメンお茶も買って来て」とか言われたら途方も無い脱力感にさいなまれる気がする。

それより僕が思ったのはですね、この「作りかけ感」といい「質感」といい規模といい、ドバイの人たちがちょっと本気出したら



「デス・スター」とか作れるんじゃなかろうか。

さ、しょうもない事言ってないで皆さん仕事に戻りましょうか。