デザインの現場から。と言いつつほぼデジカメの噺。
by MASANOBU HIZAWA(アートディレクター/グラフィックデザイナー)
http://www.neelmartin.com/
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明治屋の中心で高いと叫ぶ
夕方、事務所近くの広尾プラザへ。食品パッケージデザインの仕事があって、ちょっと高級な品なので、明治屋でもリサーチしておこうかなと思ったのです。参考になりそうなのがあったらデジカメで撮っておこうと思い、いつものGX100ではなくDSC-T10をポケットに忍ばせて。



GX100の24mmに慣れると、なんか狭く感じますね画角が。でもシャツの胸ポケットからサッと取り出せて、レンズがせり出さないから目立たないDSC-T10の機動力は、こうした盗撮、じゃないや、リサーチの時とかには役に立ちますね。GX100を買った時にはDSC-T10は売ってしまおうかと思ってたんですがとっておいてよかった。
しかしまあアレですね明治屋ってとこは、奥さんそれスーパーマーケットに来る格好じゃないでしょ!と激しくツッ込みたくなるような出で立ちの客が多いですね。食品パッケージを見に来たのに、来てる客を見てるほうが面白く、僕は店内歩きながら胸の内で始終「叶姉妹か!」、「デヴィ夫人か!」とすれ違うマダムにツッ込んでおりました。
せっかくだからデリのお惣菜でも買って帰ってオフィスで夕食にしようかなと思って、美味しそうなのが並んだケースをしばし眺め、価格を見てきゃあーと悲鳴をあげ退散。ホカ弁買って帰りました。
冥利に尽きる
某所スタジオにて、季刊の食品媒体の撮影。夕べは寒かったのに窓明けて寝てたもんで、今朝は声がちょっと変でした。スタジオに入って「オハヨーゴザイマース」と言ったらヒザワさん声変わりですかと言われる。
いやそうなのよ僕もそんな年頃でね、ぼちぼちウイーン少年合唱団も退団せなあかんねん。って12歳じゃないんだから。誰がウイーン少年合唱団ですか。



出番を待つボジョレーヌーヴォー。もうそんな季節になったんですね。
本日も3チームでの撮影。ちょっと心配だった箇所も、クライアントさんが事前に協力して下さったおかげで我々のやりたい方向で進めることができました。ありがたや。相変わらずカット数は多かったですがテンション↑↑で順調に進行しました。

気心の知れた仲間が集っての仕事ということもあるんでしょうけれど、集っているのが皆、腕っこきのクリエイターだからテンションが上がるんでしょうね。スタイリストのアレンジによって、カメラマンのセンスによって、自分が思い描いていたモノよりもっと良いモノが生まれるってのはやはり嬉しい。僕はもう今日はチェック用のモニター覗いては「おー、いいっスねえ」「あらー綺麗っスねー」ばっかし。いいんだろうかそんな事で。
 ま、「肝」になる部分については徹底的に僕もこだわるんだけど、有り難いのは皆、ラフ見せてちょっとポイントを言うだけでその「肝」を理解してくれるって事ですね。なかなか無いことなんですよこうして相互理解が実感できるのって。そんなケースでは、その理解は最終的にお客様にもちゃんと通じる。デザイナー冥利、アートディレクター冥利に尽きる瞬間です。
なんらかの運動をしておかねば
土曜までで、仕事、ひとヤマ越えたかな? 日曜はゆっくりするつもりだったんだけど、月曜に会計事務所が来る予定になっていて出納帳の準備は当然できていなかったことに気付き、明日から2学期が始まるのに宿題を終えていない小学生のような心境で出社し、なぜオレが帳簿仕事で貴重な日曜を潰さねばならんのだとブツクサいいながら地味に領収書の入力。これくらいムーミンにやってもらうわけにいかないだろうか?



昨日土曜の朝8時からは荒川河川敷のグラウンドで草野球チームの練習が行われることになっていた。金曜の晩は、その「ひとヤマ」のために徹夜になってしまい気付くと土曜朝6時半。10年前の自分なら帰宅してユニホームに着替えてそのままグラウンドに向かったと思う。けど今それやるとリアルに命に関わる気がしたので参加は自重することに。アミノ酸サプリメントの効用にも限界はある。何年か前に、徹夜でグラウンドに駆け付け試合に出場し半分眠った状態で(それで無駄な力が抜けて良かったのだという説もあるのですが)3安打して以来、チームメイトから「ひ弱な鉄人」の称号をいただいた僕ですが無理はいけません無理は。来週末に試合があるのだけどぶっつけ本番になりそう。しかしいきなり体を動かすのは怖い。来週末までに隙をみてなんとかなんらかの運動をしておかねば。週明け、会議中などに、僕がやおらテーブルの上でヒンズー・スクワットか何かを黙々とやり始めた場合はそういった事情ですので構わないでやってください。
きみは、ここにくるべきだ。
今年のお盆は結構忙しかったですね。普通いわゆる「お盆進行」というのはお盆の「前」にバタバタ動くことを言うんだと思うのですが、アタクシの場合文字通りお盆の「真っただ中」に仕事が進行することを言います。出版・印刷の世界とかですと「お盆前」になるんでしょうね。デザインの仕事の場合、「じゃ、お盆明けあたりに一発ラフ見せていただいてですね」かなんか言い残してお客さんは翌日から海外行っちゃったりして、僕は後から考えてみるとなんだかちょっと納得いかない感じで首を傾げながらMacに向かってたりして。で、皆さん復活された今週はさっそく朝イチからとか午前スタートの打ち合わせが多く、ま、それまでちょっと生活サイクルが乱れてた僕には修復できていい機会とばかりに早起きの日々。火曜と本日木曜は、少し早く打ち合わせ場所に着いて、両日ともスタバでシナモンドーナツとアイスコーヒーで朝食。



とくにシナモンドーナツに目がないということでもないんですが、おそらく、先日再読した私立探偵スペンサーの文庫本にスペンサーがシナモンドーナツとコーヒーで優雅に朝食してる場面があって思わず影響されていたものと思われます。
ドーナツ食べながら表通りを眺めてると、火曜にはまだ気分的に社会復帰できていないような表情で土産と思しきお菓子の紙袋を手に出社するサラリーマンも見かけました。里帰りでもしてたのでしょうかね。僕自身は夏休みに関しては習慣がなくなっていますが、知人・友人がどこかに行ってきた(旅行であれ、帰郷&お墓参りであれ)話しを聞かせてもらうのも楽しいものです。
そう、スペンサーの文庫本にもこんな一節がありました。容疑者を追ってコペンハーゲンを訪ねたスペンサーが、ボストンに残してきた恋人のスーザンに想い馳せて語るシーン。

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私は、代金を払って、ティヴォリ庭園の正面の出口に向かった。通りの向こうに、赤煉瓦造りの大きな中央駅がある。通りを渡って、駅に入って行った。そこに用事はなかったのだが、あらゆる点でいかにもヨーロッパ的な駅なので、中を歩いてみたかった。高い半円天井の広大な中央ホールには、レストランや店、荷物預かり所などがそこらじゅうにあって、リュックを背負った若者が溢れ、各国の言葉が入り乱れている。あちこちの発車フォームから、パリ、ローマ、ミュンヘン、ベルグラードと、各地に向かって列車が出ている。構内は乗降客の興奮で活気に満ち溢れている。私は、大いに気に入った。一時間近く歩き回って、その雰囲気を楽しんだ。繁栄の頂点にあった十九世紀のヨーロッパを思い浮かべていた。駅の中は生気が渦巻いている。
〈ああ、スーズ〉と思った。〈きみは、ここにくるべきだ、これを見るべきだ〉。

(「ユダの山羊」より)
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もう何べんも読んでるんですが、好きな一節ですね。いやほんと最初のほうで恨みがましいこと書きましたけど行くべきなんですよ。〈生気が渦巻く〉とこに、特に若いうちに。今年の夏でもG.Wでも、周辺の20代の人達にあんまりどこか行きたいという欲求を感じないんですよね。物理的金銭的に「行けない」のではなく、別に行かなくていいッスよ的な雰囲気が多いのはちょっと気になるなー(話し聞いてみると非常に合理的な「行かなくていい理由」を語ってはくれて、聞いてるうちに思わず「ごもっとも」と頷いてしまったりしてるんですが)。
ま、そう言いつつ今週の打ち合わせで「どーも」とか言いながらにこやかに現れたクライアントさんの偉い人がこんがりと日焼けしてた時には軽く殺意抱きましたけどね僕ぁ。でもなんだか相対的に若い人が出掛けてないですね確かに。行ってこい行ってこい、その間おっちゃん達が仕事しといてあげるから。
……なんだか何を言おうとしてるんだか脈略のない文章になってきましたので、今宵はこれにて。
昔も今も、これからも。
土曜日は午後1時から銀座で打ち合わせ。街は閑散としてました。こんなに人の少ない銀座は初めて。考えてみればお盆ですもんね。もっと考えてみるとお盆の土用の昼間の1時からってどんな打ち合わせですかそれは? 設定するほうも設定するほうだし応じる僕も僕だし。

でも僕も金曜晩はなんとなく世の中の夏休み気分に乗じて飲み会。揃って合うのは正月以来となる大学同期の面子。独立してデザイナーやってるOとF社のKとH社のDに僕という4名で(イニシャルばっかりだな……)BクのJ務所にS合した後、E比寿の「J」にて。HッケのひらきとかM太子のサラダとか、お魚系の美味しい店です。



共に学んでたのはハタチの頃とかなわけで、今はもうあなた、人生そん時の2倍ですよ2倍。おそろしや(泣)。相変わらず卒業後の出来事については「年表」がワヤ。「俺が大阪に遊びに行ったのが9.11テロの直後だったよな」「そんな前だっけ」「結構最近じゃん」「てかこの話し正月にもしたよな俺ら」「え、そしたら旭川に来た時に会ったのいつ?」「ちょうどオリンピックやってた時。向こうでKの部屋でテレビ観た記憶が…」「アトランタだっけ?」「あれだよあのー、アイルトン・セナが死んだ時」「オリンピックで?」「なんの競技でセナがオリンピック出んの。F1で。同じ時期に確かオリンピックもやってたような」「アトランタでなくてソウルか?(※)」「あれほら、岩崎恭子が金メダルとって、『いままでいきたなかでいちばんしあわせです〜』って言ってた時」「せば昨日岩崎恭子出てたな」「おお見た見た、北島の投げた花束受け取ったやつな」「大人になったよな〜」「ちっちゃかったのにな」都合良く話しがそれて、何がいつだったかの話しはもうそれっきりになる。昔から適当だった僕らですが、今は更に適当です。きっとこれからも。

(※ 1992年の話しだと思われ、だとするとアトランタでもソウルでもなくバルセロナ、でしたね。でもセナが事故死したのは1994年の事だそうで、オリンピックイヤーではありません。ワタクシ何かまだ混同しております(涙))
出先で30分
夕方、池袋へ打ち合わせに向かう。駅のホームで携帯が鳴って、すみません打ち合わせ30分後ろにずらして下さいとの事。よくある話しです。皆さんどうしますか出先で30分の時間潰しって。スタバでアイスコーヒーでもとも思ったんですが、そーだ大型TV売り場に行けば、涼みながらオリンピックか甲子園の高校野球が観れるかなとセコイこと考えましてビ○クカメラへ。



禿げたポルトガル人がひっきりなしに絶叫してるというわけのわからない映画が流れてる…
何故だ。おそらくは僕と同じくオリンピックをあてにしてエスカレーターを昇って来たと思しきサラリーマンも、禿げたポルトガル人(映画の中の人が「私は誇り高きポルトガル人だ」と言ってたからそうだと思うんです)を一瞥するや、すぐUターンして去って行った。去り行くサラリーマンの背中を目で追っていたら、その流れでレジの店員さんと目が合った。店員さん、サッと目をそらした時に、ちょっと笑っていたような。……なるほどそういうコトかいな。売り場で長々と観戦はさせんぞ、と。
なんだかちょっと悔しかったので、別に、みたいな、全然悔しくないしみたいな涼しい顔を装って店員の前を通りPCのフロアへ。PC周辺機器のパッケージデザインをやらせていただいてるので、商品の入れ替わりの激しいコンピュータ関連のお店のリサーチについては、やり過ぎということはないのです。そう、時間つぶしと言ってもあくまでクリエイティブでなくてはね(完全に負け惜しみ)。しばらくウロウロした後ふと展示されているPCを見ると、地デジ対応モデルらしく画面がTV表示になってる。おっと思ってチャンネルを操作すると、はっは、甲子園やってるじゃないですか。ざまあみやがれ店員めと思って顔を上げると、さっきテレビのフロアにいたはずのあの店員がまた向こうにいた。別に文句を言われたわけでもないのだけど、そこまでして高校野球観たかったのねと思われるのもなんとなくシャクなので僕はまた別のフロアに移った。なにゆえアタクシはこんなに店員から逃げるように何フロアも移動してるんだろうと自問しつつ最終的に「食器乾燥機」を眺めていました。別に買う予定もなにもないんですが。
神宮外苑花火大会


秩父宮ラグビー場にて、お仲間と。



「花火モード」のついているDSC-T10を久しぶりに携行したんですが……



なんか手ブレがひどいぞ…… ああ、手ブレ補正がOFFになってた……



伊藤忠の人いいな、特等席ではないですか。
ビールが美味しかったです。つかの間、仕事忘れて楽しむ東京の夏の夜。
巣鴨のサランラップ
「山手線で降り立ったことのない駅」というのが、東京に来て20年近く経つのにまだいくつか、ある。と、思う。はっきりとは判らないけど巣鴨から日暮里にかけてのゾーンあたりが怪しい。いや田端は行ったことあるな。西日暮里もあるかな? 巣鴨なんて何かで行ったことあるでしょと思っていたんですが、今日、プロデューサーのT氏と巣鴨駅近くの和菓子屋さんに明日の撮影で使う商品を受け取りに行ったんだけど駅前の風景に見覚えがない。やっぱり初めてかな。



寛永何年創業、みたいなすごい和菓子屋さん。並ぶお菓子は、商品というより芸術作品と言うべきものばかり。見惚れてしまいます。
帰りがけにお店の方が、これ持ってってちょうだいと地元商店街の福引き券みたいなのをどっさりくれる。お店を出たところに商店街のテントが張ってあって、店内で僕らが券をもらうのを見ていたらしくスタッフの方が既に笑顔で待ち構えている。いまひとつ事情が飲み込めないままテントに導かれると、券を8個のゲーム用の玉みたいのに換えてくれた。いまひとつ事情が飲み込めないまま手作りのスマートボールみたいのに挑むという展開になりました。



T氏が挑んだ第一投目がなんだか的に入ったようで、スタッフの方があた〜り〜と叫びながらカランカランと盛大に鐘を鳴らす。
いまひとつ事情が飲み込めないまま、賞品の「サランラップ」を手に、この一連の流れはいったいなんだったんだろうと考えながらテントを後にする我々。
初めて訪れた巣鴨という街は、いまひとつ事情は飲み込めていないのだけれどなんだか面白いところでした。
プロ御用達


ここしばらくは割とまったりした日もあったんですが、この土日はお仕事。今日はオフィスに行く前に来週の撮影で使う背景紙を買いに銀座伊東屋へ。最近リニューアルしてたんですね。用紙売り場は規模が小さくなってしまった……。
NTラシャその他、今回必要な紙は買うことができたのですが、ペーパーサンプル帳は大幅に減っていて、竹尾の白モノを四六判でその場で買うことも出来なくなっている。うーむ。
1階から順に7階の用紙のあるフロアまで見ながら登ってきたんですが、全体として綺麗で魅力ある商品を並べてるしセレクトショップとしてはいい感じだと思うのだけど、なんと言うか「職人の道具」みたいなのはどんどん売り場から減らされてる感じですね。現に僕がペーパーの梱包を待っている間に、お客が2組、異口同音にすいません製図用品は何階ですかとレジの人に尋ねていた。レジの人の答えは「ステッドラーの製図用のペンと、定規類だったら3階にあるんですが…」というもので、要するに「製図用品」というカテゴリーはもうないみたい。
先日itoさんのブログで、ロットリングのインクがハンズから無くなっているというのを読んでビックリし、コメントに伊東屋からも製図用品はなくなるらしいとあったんですが本当でした。帰りに3階を覗いてみると、三角スケールは辛うじてありましたけどT定規とかドラフターとか、以前は確かあったはずのモノが無くなってました。ま、伊東屋が、いわゆるプロ御用達の店かと言えば違うんでしょうけど、でもちょっと寂しい感じはしますね。そう言えば3日前、愛しの青山ブックセンターが2004年に続いてまたしても破綻したとか。(店鋪営業は続けるらしいです)