夕方、打ち合わせを終えてオフィスに戻ると、ビルの集合フロントの受付のお姉さんから「お荷物ひとつお預かりしています」と連絡。
来たか来たか?
来た〜。注文してから8日目に届いたApple社からの小包。
ワーイ。iPhotoの「ブック」の機能を使って5月のフィレンツェの写真を一冊にまとめてみたのです。
僕の場合商売柄、周囲にMacユーザーが多いのに、これをやってみたという人についぞお目にかかったことがなく、ネットで検索した範囲ではプリントのクオリティはそんなに高くないよとの評判でした。なので過度の期待はしていなかったんですが、かなりいい感じに仕上がってました。
これ、出力には何を使ってるのかなあ。じーっと目を凝らして見ると、CMYKの網点らしきものが見えます。でも昇華型プリンタのような質感も無くは無い。想像するに液体トナー系のオンデマンド印刷機、でしょうかね(嘘だったらごめん)。写真ですから完全な平網というのは無いわけですが、空とかの均一色もしくは緩いグラデーション部分にはオンデマンド機特有のムラが少し見てとれます。写真プリントの観点のみから言えば最近のインクジェット機のいいやつに及ばないでしょうね。カメラマンさんとかだと少し不満を持つかも。でも少なくとも旅の記念にちょっと印刷してみたい…というレベルの要求には充分に応えてくれています。発色もまずまずだし色の転びも無い。なにしろちゃんと印刷製本された一冊になるってのは嬉しいものですね(←本職のグラフィックデザイナーと思えぬコメント……)。
ああ駄目だ、見てたらまた行きたくなって来た(泣)。フィレンツェに留学経験のある友人に、出発前に色々教えてもらって有り難かったので、お土産代わりに一冊進呈しようと思ってます。
そう、フィレンツェと言えば、短大生の落書きのニュースがありましたね。
その大聖堂で撮った僕の写真にも…
色々写ってました。日本語らしきのもありますね。
モラルについての話しは諸先輩方にお任せするとして、僕がもったいないなと思うのは、設計法のコンペのプレゼン期間だけで数年(月曜にオリエンうけて木曜にラフ提出〜とかいってるアタクシたちの今の世界じゃ考えられない)、ファサードも含めると最終的な完成まで六百年(その頃にゃクーポラ作ったブルネッレスキのひ孫だってこの世にいませんがな)とかいうあのドォーモの凄さは、たとえ予備知識が無くとも「感じ」られるものだと思うんですね。クーポラ内側のフレスコ画にしたって、イラレとフォトショで一晩徹夜して描きましたってんじゃないことだけは確かです。
僕だってデザインの仕事してるわりにはこういう芸術についてはそんなに詳しくないです。でも見ればなんかわかるじゃないですかなんだか凄いぞってのは。世界遺産だからどうとかいうんじゃなく、ただそれら造作物の凄さや明らかに非日常であるその町並みにひえーっと圧倒されて頭真っ白になっちゃうことこそが、安くないお金払ってはるばる十何時間も飛行機乗って日常を遠く離れることのシアワセだと考えると、彼女たちはそれを味わえていないのでしょう。少しでも街の雰囲気に浸れていれば少なくともクーポラのてっぺんで油性ペン取り出すという発想にはならないでしょうからね。だから、けしからん、とか思う前に、なんともったいない、とオッチャンは写真眺めながら思うのでありました。
ああ、駄目だ、眺めてたらまた行きたくなって来た……。
はーい、仕事しまーす。