デザインの現場から。と言いつつほぼデジカメの噺。
by MASANOBU HIZAWA(アートディレクター/グラフィックデザイナー)
http://www.neelmartin.com/
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ダークサイドな昼過ぎ
連休後半は休む。ので、本日は出勤。その前に午前中、某百貨店に寄って、先日お手伝いしたキャンペーンの視察。



繁盛してました。嬉しいことです。この仕事、ともすると入稿して終わりとか刷り上がりをもらって満足とかしてしまいがちなんですが、やはりこうして自分の仕事が世の中でどんなコトになってるのかを体感するのって大事ですね当たり前ですが。逆に、改めて責任も感じます。ひとつのキャンペーンには凄い人数のベラボーなエネルギーが注がれているんですからね。

次いで昼過ぎに家電量販店へ。これもまた先月納品したPC周辺機器のパッケージデザインが店頭でどんな感じになってるかの視察。



ほう、iMacの新しいのが今日発売なんですね。3.06GHz! すごいな。なのに安いし。うーむiMac恐るべし。ってiMac見に来たんじゃなかった。
周辺機器のパッケージって、こうした量販店が主な販路なので単体で綺麗に仕上がっていても意外と駄目でして、棚の中で集合で置かれた時の「かたまり」感での主張が結構重要なんですよね。その点では今回のシリーズ、なかなか上手くいってるんじゃなかろうか。他社製品群との差別化もできてるしちゃんとトーンとしての主張もあるし。売れるといいな(←自分で買おうという発想はないようですこの人)。箱の裏側を見ると、あはは、使用方法の解説写真に僕の手や私物のカバンが写ってる。棚の上で少し整列が乱れていた箱群をキレイに揃える。ついでに他社のやつをちょっと乱してやる(なんちゅう邪悪な!)。
おっちゃんが一人、ポータブルHDの棚の前に来て、どれにしようか迷っていた。しばし色々眺めた後、他社の製品を手に取った。僕は“オヤジてめえそっちを買うんじゃねえ”と背後から念を送ったのだが通じない。僕はおっちゃんとの距離を詰め、後方20cmくらいの至近距離から“それじゃねえっつってんだろうが”と歯を食いしばっておっちゃんの後頭部にフォースを送る。傍目には虫歯でも痛むのだろうかという顔に見えたに違いない。しかしスターウォーズを幾度も観て鍛えたはずの僕のフォースがおっちゃんには一向に通じる気配がない。うーむなかなか手強い奴だ。僕は自分がデザインした箱を手に取り「……ふーむ(これいいなあ、というニュアンスね)」とか白々しくつぶやくという次の手に出た。ようやくおっちゃん、ちらりと視線を移したのだけど、やがて何も買わずに立ち去ってしまった。ちぇ。
自分のフォースがいささかダークサイドに傾いている気もしますが、これも自分の仕事とクライアントへの愛なのであります(違うか)。
もう一度じゅうじゅうしたかった。
ここ数日は、もっぱらオフィスに籠って黙々とデザイン作業の日々。ふと気付くとその間、昼食も夕食もテイクアウトのものとかコンビニとかで済ませてる傾向が。うーむいけませんねー。で、そうなってくると、目の前でぼうぼうと燃え盛る炎でちゃんと調理されたモノが食べたくなってくる。なんといいましょうか、レンジの電磁波ではない凶暴なまでのリアルな炎ね、それが恋しくなる。ということで事務所近くに昨年オープンして以来、たまーに行っている「じゅうじゅう」へ。文字通り、肉と野菜を目の前でじゅうじゅうと豪快に炒めたやつをご丁寧にアツアツの鉄皿に盛って出してくれる(そこでまた再びジュウジュウなるんです)お店で、結構気に入ってるんです。さて今宵は「鶏じゅうじゅう」でも食すとするか。



がーん。
どーしてどーして。結構繁盛してたのに〜

ま、嘆いていても仕方あるまい。
しかし代わりに何食べようか考えても、頭の中がじゅうじゅうで決定していただけに他の候補が全然思い付かない。一風堂でラーメンでも? だめだよ、だってじゅうじゅうしないじゃないラーメンじゃ。松屋でカレー? だめだよ、だってじゅうじゅうしないもんカレーじゃ(子供か俺は)。
惜しい店を無くしたなあ。失って気付く、じゅうじゅうの有り難み。
カーナビどうしよう。
土曜。お昼に瀬田のチェッカーモータースでアルファ君のオイルを交換し、その後オフィスへちょっと用事を片づけに向かう。環八を南下し、自由が丘方面に左折。途中で自由が丘のコジャレたカフェテラスあたりでランチなんてどうよ、と企んだのです。しかし自由が丘駅近くの渋滞をかわして小道に入ったらもうどこがなんやらわからなくなり、右往左往してたら目黒通りまで出てしまったのでそのままオフィスに向かうことにする。コインパーキングに車停めて、オフィスの近くのラーメン屋で半熟煮タマゴラーメンすすりながら(えらい落差…)、思った。「カーナビ付けようかなあ」
最近までそんなこと考えた事はなかった。もともと方向音痴なのでそんな機械に頼ってたらいつまでも道を覚えられないだろうと思っていたし、そもそもカーナビなんて高いし。
しかしここ数ヶ月、複数のカメラマンの車に同乗し、その都度カーナビの威力を思い知らされていて、また安価ないわゆるポータブルタイプのナビでもそこそこ働くことを知ってから若干認識が変わってきつつあったんです。今日だってナビがあって道に迷わなきゃコジャレたカフェテラスでのランチを実現できていたかもしれぬではないかいな。
しかし問題がひとつ。
147のダッシュボードって、エアコンの吹き出し口がポコッと盛り上がってるんですね。



余談なんですが、この盛り上がりの手前側の吹き出し口はわかるんだけど、上側の矢印の所のスリットがいったいなんのためのものなのか、正確なところを実はよく知らないという。納車の時ディーラーさんにこれ何?と聞いたら、ああ、日本ではこれあまり関係ないんですよ、という、いまひとつわけのわからない説明をされたのは覚えている。じゃあ本国イタリアでは「関係ある」のでしょうか。どこか釈然としないまま何年も乗ってます。
それはともかくこの盛り上がりのためにポータブルナビを設置する場所がないんですね。ソニーのNV-U2と仮説して、さてどうしたものだろう。何パターンか検証してみましょう。

1. 盛り上がりの左側。



ネットで調べてみると、同じ147ユーザーではここに付けてる人が多いみたい。でも遠いですよねここだと。

2. 盛り上がりの右は?



一部ステアリングに被りそうだけど、ここでいけるのでは? あるいは…

3. 意表を付いて



突拍子もないとこへの設置を試みるのも一興かと(よしなさい)。
それともやはり…

4. 男は黙って



地図。
どうしてもMAR-DE NAPOLI
東松山市の洋菓子店と大泉学園の和菓子店を訪ね、製菓専門学校のDM用の撮影立ち会い。OB訪問ってやつですね。午前の洋菓子店は東武東上線で池袋から小一時間。のどかな環境の可愛らしいお店。12時過ぎに撮影と取材を終え、せっかくだからとお店オススメのケーキと紅茶をテラス席でいただく。激ウマ。



午後3時からの和菓子店撮影に向けてカメラマンO氏のレガシーに、僕、プロデューサー氏、学校の入学課の方も乗せてもらって4人で移動。
和菓子店の数キロ手前で「MAR-DE NAPOLI(マルデナポリ)」という雰囲気良さげなイタリアンレストランを発見。ここいい感じですね、内装も外装もオシャレですねと4人で口々に絶賛した後、よし、いったん訪問先の場所を確認したらここに引き返して昼食にしましょうよと決める。



和菓子店を確認したのが2時10分。…微妙な時間。
「あの店まで戻って食事してたら3時に間に合わなくなりますかね」
「あそこ行きたいですけどねえ。ま、そこのジョナサンでもいいんじゃないですか」
「しかたないですね、そうしましょうか」
「そうですね」
そこは4人とも皆、社会人であります。判断力というものがあります。
と、いうことでお店通り過ぎてすぐのジョナサンに向け車を進める。

「……いい感じでしたけどね『マルデナポリ』ね」
「行きたかったですね。でもまあね、時間遅れたらまずいですしね」
「ですね。いいですよジョナサンで」
「そうですね」
そこは4人とも皆、社会人であります。分別というものがあります。
レガシーが、ジョナサンの前に到達。

「『マルデナポリ』、良さそうでしたよねえ」
「ですよねえ…」
レガシーが停止する。

もはや4人の心はひとつでした。

「行っちゃいましょうよ『マルデナポリ』」
「そうしましょう。間に合うでしょなんとか」
「ま、遅れたら車が渋滞してたってことにして」
「そうですそうです」
とても社会人4名の会話とは思えない。



ということでMAR-DE NAPOLIにてパスタとピッツァ(お客さんピザじゃなくてピッツァです!)とサラダで優雅にランチ。いずれもこれまた激ウマでした。
往々にして、ロケ先でのプライオリティー1位はヒルメシだったりするのです。
今となってはわからない。
明日、会計事務所が2・3月分の記帳に来るので夕方からは領収書の整理。よく働いたなあこの二か月は。2月の上旬にやたら「ゼナ」と「ユンケル」の領収書が目につく。あんまりこういうの飲まない人なんですけどね僕は。あはは、かわいそーに。忙しかったもんねえあの時は(←なぜに他人事?)。



で、その後デジカメのメモリーカードが一杯になってきてたので無駄な写真を削除してたら、同じ2月上旬の明け方の日時で記録されたこんな写真が。



……僕はいったい何をやりたかったのだろう。
きっと朦朧とした意識の中で、自分的にはものすごく面白いことを思い付いてこんなものを撮ったのでしょうね。
自分の「企画意図」が、今となってはさっぱりわかりません。
アメリカの少年
アメリカから洋服を取り寄せる、という、柄にもなくおっ洒落ーなことをしてみました。Yahoo!のトップページに最近ちょいちょい出現するアメリカのメーカーのカジュアルなトラックジャケットがいいなあと前から思っていたんだけど、その画像をクリックするとズラリと表示されるYahoo!ショップがどれもどうもイマイチ怪しげで、そうでなくてもこのブランドは偽物が多い(ネットで売られているものの過半が偽物という説も)ということは知っていたし、そもそもにして僕に合うサイズが全然なかったんですね。で、ふとそのブランドの公式サイトを見てみたですよ。そすとどうもそこで直接買えるっぽいんです。値段も、ドル表示を電卓で計算してみたらYahoo!のショップより全然安い。送料が数千円かかるけどそれ足しても安い。1点買おうが2点買おうが送料は一緒ぽいので、送料を「薄める」べく、フリースとポロシャツにもチェックを入れる。「ADD TO BAG」これがおそらく日本でいう「買い物カゴに入れる」のことかいななどと言いながらポチポチいじってたら、そのうち毎度アリ的な画面になって、どうやら3点の品物をあっけなく買えてしまったようです。そんな具合にネットで注文したのが火曜の夜。で、なんと今日金曜の昼間に事務所に国際小包で届きました(僕の場合平日に住まいのほうで宅急便を受け取るというのが絶望的なライフスタイルなもので、私物であれなんであれ配送先は皆オフィスのほうにしてるんです)。ちなみにサイズの問題ですが、僕は「Boys」サイズのLを買いました。ピッタリでした(泣)。サイズ的にはアメリカの少年ってわけです僕は。



…………あの、非常に素朴な疑問なんですけどね、そのブランドをネットで販売してる業者ってベラボーな数、あるわけですよ。でも僕の見た範囲ではそのどれもが本家の公式サイトで買うより倍以上高いんですね。となるとこれなにゆえにそのような業者が成立しうるのでしょうか。だって値段は高くて偽物つかまされるリスクもあるわけですから、わざわざ怪しいとこで買う必要がないわけでしょ? 本家から買うのが困難だってんなら存在理由もあるんでしょうけど本家でスンナリと買え、たった3日で届きましたよ。
わからんなあ。僕が何か極めて初歩的な盲点に気付いていないとしか考えられない。
たとえば僕が「本家の公式サイト」と信じてたとこ自体が偽サイトだったとか。
それあり得るなあ。アメリカから3日で届いたってのが早過ぎるもんなあ。きっとあの偽公式サイトの本拠は板橋あたりにあって、老夫婦が販売を営んでるとかだったりして。
「爺さん、ほれ庭木ばっかしいじってんと、また注文来たでがよ」
「婆さんやっといてぇな。ちゃんとあれだぞ、送り状にはアメリカの住所をエー語で書くだでよ」
「わかってってばもう。ほれ庭木ばっかしいじってんと、茶ぁ冷めるてば」
そんなんだったらどうしよう。
見た限り、品物に問題はなさそうですし胸のブランド名の刺繍のスペルも間違ってはいないようです。
買わぬ男。


夕方、久しぶりに青山ブックセンターへ。もう何度も書いてますが、僕にとってここはちょっと煮詰まった時の駆け込み寺であり、何か新しい仕事に取り組む時のヒントの泉であります。機関誌の表紙のデザインの仕事があるもんで、今日は書棚に並んだ雑誌や本の表紙ばっかり見て来ました。40分ほど見て回って何も買わずに帰る。ここで実際に何か買うのって年に幾度もなく、たいがいはブラブラ立ち読みして深く満足して帰ってるわけで、考えてみると店側にとっては最悪の客なのではなかろうかという気もしないでもない。
宮益坂を渋谷に向けて下り、坂の途中にあるオフィス・デポをちょっとのぞく。ここは事務用品が安いのだ。今でこそUSMの高級(ウォホン!)オフィス什器で事務所を統一している弊社でござんすが、事務所を開いた時は机も椅子も棚も全部デポで揃えました。椅子は気に入ってるので今も使ってます。もう10年くらい前になるのかな、初めてアメリカに仕事で行く機会があり、向こう(シアトル)でちょっと時間潰ししなくちゃならなかった時に「面白い店だから」と訪問先の方が連れて行ってくれたのがまだ日本には上陸していなかったオフィス・デポで、その「オフィス用品のスーパーマーケット」的な店づくりはなるほどアメリカ的で面白く、加えて値段の安さも印象に残っていて、1年後くらいに自分の事務所を開く時に日本にデポがオープンとのニュースを聞き、おお、とばかりに必要なものは全部そこで買ったのでした。今では似たようなスタイルの店も増えたしなによりオフィス用品はネットでという時代になったしで、デポの立ち位置も当時とはだいぶん違うんでしょうけど、そんな事情で僕は今でもここを贔屓にしているのです。今日のところは特に買い物することもなくデポを出る。宮益坂を下りきったところのビックカメラで携帯電話やらMacやらをちょっと見る。これも渋谷に出かけた時の定番コース。何を買うでなくても電器屋は楽しいのだ。

トータル1時間半ほどの散策?を終えてオフィスに戻ってふと考えると、それぞれに何らかの思い入れのあるお店をみっつ巡っておきながら1円も使っていない。単なるケチか俺は!? いやそうではないのだというロジックを書こうと先程来考えているのですが、理論が思い付きません。困ったものです。