デザインの現場から。と言いつつほぼデジカメの噺。
by MASANOBU HIZAWA(アートディレクター/グラフィックデザイナー)
http://www.neelmartin.com/
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ハッピーか、そうでないか。
本日日曜のF社のゴルプコンペが御殿場だったので、ふと、前日のうちに箱根あたりに行って一泊してみようかなと思い立ち、急遽金曜の晩になってネットでリーズナブルな宿(最近よく話しに聞く、以前は企業の研修施設か何かだったのを宿に改装したタイプのやつですかねあれは)を予約しました。忙しかった9月あたりのブログで、どこかにお出かけしたいようと幾度か切望していたわけですが、ようやくささやかながらプチ旅行を実現するチャンスが到来した、というわけです。
ということで土曜の午後、ウキウキとクルマに乗り込み、いざ箱根へ。きっと東名高速は秋の爽やかなオレンジ色の陽光をたたえ、僕に快適なドライブをもたらしてくれるでありましょう。



台風でした。死ぬかと思った。
ラジオをつけると「台風が勢力を増しながら、伊豆半島から関東へと接近中です」と言っている。その時まさに僕は正面から突っ込んでいってたわけです。なぜそんな「真っ向勝負」を挑まねばならないんだろう。自分が何にチャレンジしてるのかがわからない。
到着した頃が嵐のピークで、もう傘など効かず、待望久しいささやかな旅でなんでこんな目にあわなならんのじゃと叫びながら駐車場からダッシュで建物に飛び込む。なんとなくその時の状況の感覚としては「宿」というより「避難所」というニュアンスが勝っている感じ。ま、とか言いつつちょっと楽しく、大風呂にゆっくり浸かってから小さな部屋でビール飲みながら日本シリーズ観て満足してる自分が可愛い。

一夜明け、今朝は……



快晴! 147って箱根が似合うなあ。早朝の陽光の中、芦ノ湖スカイライン〜湖尻峠とアルファ君を駆ってコースへ。「カーグラフィックTV」のテーマ曲が聞こえてきそう。ん〜、いいですねえ。
コースは富士山を一望。



いいですねえ。
ということで必要以上にメリハリの効いた週末を過ごしました。
ゴルフのほうは、何発かはいい感じのショットもあったんですけどねえ……。出だしの1番の右サイドがざっくり広いOBゾーンというのは勘弁していただきたかった。
でもほら、PRGRの広告コピーでいいのがあるじゃないですか。「ゴルフに上も下もない。ハッピーか、そうでないかだ」って。
さよならキャサリン。


わたしの有能な秘書、キャサリン。日本に来て8年になるが「ただいま留守にしています。ピーっと鳴ったら…」以外の日本語を頑として覚えようとしないかたくなな性格の持ち主。しかし仕事は完璧だ。わたしへの伝言を伝え損なったのは8年の間に一度だけで、その一度にしても本人いわく、掃除のおばちゃんが掃除機で彼女のケーブルをひっこ抜いたかららしい。彼女のおかげでわたしは安心して事務所を留守にすることができ、事実、彼女の来日当初からの付き合いであるF社のK氏などは外出中のわたしの携帯に連絡をよこした際に「詳細はキャサリンに伝えておいたから」などと言うほど、社外の人間からの信頼も厚かった。

そのキャサリンが、おかしくなった。
本来、普段は時刻を表示し、クライアントからの連絡が入った時にはすかさず相手の電話番号を表示すべき液晶画面に、先週からわけのわからないバーコード状のものを表示するようになった。



日本の気候や文化が合わなかったのか、はたまた待遇に不満でもあって無言の抗議をしているのだろうか。だとするなら彼女の気持ちに気付いてやれなかったわたしの落ち度というほかなく、先月の「東洋経済」の「読者が選ぶ日本のビジネスリーダー・トップ3」でキャノンの御手洗会長、ファーストリテイリング柳井CEOと共に選出され表彰された身でありながらまったく恥ずかしい話しであり、トップに立つ人間として不徳の極みだ(そのような理由で、その賞は事後、辞退した。ソフトバンクの孫氏がくり上がりで受賞したらしい)。
なんとかキャサリンとの関係を修復しようとわたしも努めたのだが、一度態度を決めると徹底するあたりはさすがハーバード出と言うべきか。まったくタフな女だ。
オーケー、キャサリン。わかったよ。これ以上わたしの元に置いておくと君のキャリアにも影響が出てしまう。もう自分の望む道を進むがいいさ。引き止めやしないよ、最後くらいものわかりのいいボスでいさせてくれ。



あっ、表示が変わった。
…なんかますます意味不明ぶりが加速してるんですけどキャサリン。なんなんですかその見たこのない絵文字は? まいったな、わたしが彼女をここまで追いつめたに違いない。

いや実はねキャサリン、もう後釜が赴任してきてるんだよ。君の帰国のチケットはとってあるから、さ、もう席を変わってやってくれないか?



新人のジョセフィーヌ。
ウエストまわりがキャサリンよりずっとスリム。コードに行動範囲を制約されることのないフットワークの良さが信条だ、と面接の時には言っていた。ただし、自分の電波がどこまで届くかの実験だと称して先ほどフロア中央のトイレにまで同行してきたのにはまいった。勘弁してくれないかなジョセフィーヌ、わたしにだって一人になりたい時間ってのがあるんだよ。ま、ルーキーの張り切り、ということで今日のところは許しておこう。
手タレ


今日は都内某スタジオにて、PC機器パッケージの為の商品撮影立ち合い。
パッケージの裏面に使う操作方法解説のカットでは、人の手で実際に操作してるところを載せるのが判りやすかろうというクライアントさんの意向。ということで僕の手が登場。ユニクロのシャツの袖口も登場(笑)。
僕に限らずこうした製品パッケージとかカタログとかの仕事では、結構ちょいちょい「出演」してるんですよねデザイナーの手って。

10年くらい前、前のデザイン会社に勤めてた頃、ベビー用品のパッケージの仕事の時に、予算もあったもので女性のいわゆる「手タレ」というのを使ったことがある。話しには聞いてたけど本当にいるんですよ、手タレって。モデル事務所にちゃんと登録してるんです。宣材写真は当たり前だけど「手」だけ。何人分か見比べて「うーん、いい手だねえ」とか言って選んだりして(笑)。で、撮影当日、「オハヨーゴザイマース、○○(モデル事務所)の田中でーす」とか言いながら登場した彼女、両手に白いシルクの手袋ですよ。プロだあ。
珍しかったんで色々聞いてみました。
「やっぱり普段から、お手入れとかしてるんですか?」
「そうですね、乾燥させないように、とか、怪我しそうな事しないようにとか」
「じゃあ農作業なんかは避けてるんですか?」
若き日の僕としては精一杯のジョークを言ったつもりだったんですが、手タレのプロ意識の問題以前にどうして私が大根ひっこ抜いたりしなきゃいけないのよ、という若干険しい顔でこっちを見てました。
でもさすがプロと言うべきか、手のいわゆる「写真映え」が全然違うんですね。びっくりするくらいきれいな手で、へぇー、色んなお仕事があるんだなあと認識新たにしたものでした。ただその日僕は、彼女の手に、「幼児用の湯たんぽ」にヤカンからお湯を注ぐ、という微妙な仕事をさせたもんで、「農作業」のジョークがすべった事もあり、その日のスタジオの空気はいささか重たいものだったのを、今でも覚えています。
林檎印、相壺接触。


日曜。PC機器のパッケージデザインのリサーチをすべく秋葉原のヨドバシAkiba館へ。仕事熱心に思われたかもしれませんが、ホントはAkiba館9階のゴルフ用品売り場も行きたかったのです。来週末のコンペにむけて長袖のゴルフ用のシャツを買う必要がありまして。ええ、技量で勝てぬのならウエアで勝とうという戦略です。どんな戦略ですか。

もとより秋葉原は中国からの買い物客の多い街だけど、円安のせいもあるんでしょうか、なんだか中国人ばっかりだったですね。
Macの売り場でiPod touchを見てたんですよ。実機を見るの初めてだったもんで、あれこれいじってたら後方至近距離に複数の人の気配。振り向くと10cmくらいの距離に2人の中国人客。どうやらデモ機の電源の入れ方が判らず少し離れて誰かがいじるのを待ってたようです。
「嗚呼〜、相壺接触、可能動画再生〜?」とかなんとか(いやわかりませんよ、何言ってたのか。でもムービーという言葉は聞き取れた)。
しょうがないからムービーを起動して見せてやる。
「嗚呼〜、案外大画面比較我予想〜」
満足したようなので、僕は自分が見たかった予定表機能に切り替えていじってました。
「相壺、可能動画再生〜?」
だから今見せたでしょうが。しょうがないからも一度ムービーに切り替える。
「嗚呼〜、驚愕的美的画面〜」
めんどうになってきたので、彼等にデモ機を手渡し、僕は他の売り場へ。
ひととおり用事を済ませ、帰り際に再びiPodを見に寄った。デモ機のところには誰もいないようだ。やれやれ。えーっと、スケジュール機能は、と。
「嗚呼〜、相壺〜」
またかよ。どこに潜んでたんだあんたたちは。

結局、相壺接触、もとい、iPod touchの各種機能体験は次の機会ということで。
無精箱ふたたび。
会計事務所さんが8〜9月分の記帳に来るもんで、領収書をデータ入力。
さてこの写真の、蛇腹状のヘンな物、何だと思います? 何年か前にも一度ホームページの日記で紹介したことがあるんですが、全国からの熱いリクエストにお応え(嘘です)して再度登場。



お手製の「2ヶ月分の領収書整理箱」でした。略称は「無精箱」。
デスク横のキャビネットの引き出しの中にピッタリ収まる設計。作り方は簡単、東急ハンズで買い求めた塩ビ製の小型書類ケースを5つ、蓋を切り取ってから繋ぎ合わせ、底板を貼っただけです。これが異常に便利でして「1」から「31」までナンバリングされたポケットに、その日付の領収書なんかをポンポン放り込んでおけば、入力の時に順に取り出せるわけですね。
既製品で、壁掛けカレンダーにポケットが付いてるという同じ発想の商品を見たことがありますけど、カッコ悪いですやん、壁に領収書て。その点これは普段は引き出しの中にビルトインされてますんで、デザイン事務所にふさわしく無い生活感溢れるルノアールの領収書とかを、巧みに隠してくれるのです。
これ、商品化したら売れるのではなかろうかという僕の目論見に対して会計士の見解は、
1.「無精な小規模事業主」という極めて狭い属性の奴以外に買う人がいない。
2. て言うか、ふた月分も領収書を溜め込まずもっとマメに入力処理をしなさい。
という、いささか論点の噛み合わないものでした。
テレビ北海道の取材
昨晩、テレビ北海道のクルーの皆さんがオフィスに取材に来ました。
いや取材対象は弊社ではなくてですね……。
同局の「けいざいナビ」という番組が、札幌でドクターズ・コスメの研究開発・製造を行っているノースバイオ・ラボラトリーズ社を特集で扱うそうで、同社大庭社長の東京出張に取材班も同行、弊社に立ち寄った場面も撮影していった、というわけです。
これから自社ブランドにも力を入れていきたい大庭氏が、高校同窓の旧友でもあるアタクシの所を訪ね、今後のデザイン戦略について色々相談、みたいな絵面になるんでしょうかね。



ガラスの反射物が多くてカメラマン泣かせの打ち合わせスペース。結局ブラインド下ろしました(笑)。
オンエアを東京では見れないのが残念ですね(長谷川ディレクター、DVDに焼いて送ってくださいね)。今月27日土曜、朝9時半からの放送だそうです。北海道の方、見てみてください(ばっさりカット、の可能性もありですが)。

収録終えてスタッフの皆さんはお帰りになり、僕と大庭氏は「恵比寿BAR」で一杯。



同じような時期に独立して頑張って来た同士、話しが弾む。高校で同窓だった時は20年以上も後に、こんな形で東京で杯を交わす機会があろうとはお互い考えもしなかったもんね。
……考えてみると、そういうBARでのトークの場面のほうがよっぽど自然な画が撮れたんとちゃいます?
まさかのA案


広告物のデザインを提示する場合、A案、B案…という感じで複数案をカンプにしてプレゼンテーションするのはよくある事。
僕自身、本当に甲乙つけがたい案ができてしまったという場合もあるし、代理店さんを挟むケースだと代理店さんは複数案持って行きたがることが多いし、また、自分がお勧めする案を引き立たせるためにあえて別の案を出す場合もあります。
だいたいの案件で、自分的には「これだな」というのはひとつになるものなんです。だから、ある程度信頼を築けているお客さんに対しては変に策略を練ったりすることなくストレートにリコメンド案のみを見せる(完成した他案があっても見せない)ってケースもありますが、他案を見てもらうことでいかにリコメンド案が優れているか判ってもらえるなんて場合もあるんですね。そんな時は、あえて他案のほうを「A案」にしたりする。
「頂戴しましたオリエンを素直に咀嚼しますと、こういった形になるかと(A案提示)。ただこれですとアピールがいささか散漫になる面もありますので、そこでポイントを思い切って絞って考えてみたのが…」とか言ってオススメのB案を見せる、と。なんかズルイですね。そんな場合はもうね、力の入れようで比較するとA案:2 vs B案:8、くらいだったりするんですね。正直A案は可哀想だけど引き立て役。わざとダサくする、とまではいきませんが、それに近い事はすることあります。ズルいですけど。

先日の競合案件で、この戦法を使いました。後日代理店さんから晴れて競合に勝ったとの電話。
代理店さんが喜んでる「いやーありがとうございました」。
「いやいや。至極当然の結果ですワ」
「競合相手は○○(有名広告代理店)と○○(もっと有名広告代理店)だったんですってよ」
「ま、相手が悪かったってことですよ」
「言いますなあヒザワ氏」
「なははははは。じゃ早速、制作にかかりますね」
「よろしく。あ、ちなみに決まったの“A案”ですから」


受話器握ったまま、満面の笑みのまま、なんだか涙がウルウルと。

こんな時は、評価が高かったと聞かされれば聞かされるほど、へこむワケでして。
電話切ったあと、どこか知らない街を旅したくなりました。
この世界の方なら、一度や二度、必ず経験おありでしょうねこういうの。
紳士のスポーツ
先週末までの締め切りラッシュを無事乗り切り、昨日までの3連休はやっとゆっくり休めました。
ちょっと体を動かしたくて、昨日は昼間にゴルフの打ちっぱなしに。
行ったことのある人ならわかると思うんですが、ゴルフ練習場の多くは、列の一番右奥の打席は前が鏡になっててスイングがチェックできるんですね。できればその打席で打ちたかったんだけど、一番奥の鏡前の打席にはおっちゃん、2番目にはお兄さんの先客がそれぞれいたもんで、3番目の打席に陣取りました。前ふたりの体の位置によっては、チラチラと鏡が見えるんですよ3番目くらいだと。なので、前ふたりの肩越しに、たまに鏡をチェックしてたんです。前のお兄さんも同じ事考えてて、おっちゃんの肩越しに鏡をたまに見てる。そうしましたら鏡の前のおっちゃんが気付きましてね、後ろの僕らが鏡を見たがってることに。



で、べつにいいのに、なんとか後ろの僕らに鏡見せてやろうとしだして、やおら、しゃがんだりし始めた。



せっかくそうしてもらった以上、僕らも慌ててスイングしなきゃいけない空気に。
その後もおっちゃん、よせばいいのに不自然に重心をスウェーさせたりして、鏡の視界を確保しようとしてくれる。明らかに自らの練習を犠牲にしてる。僕にはできませんそんな事。さすがおっちゃん、紳士のスポーツだ……。



そのうちになんだか……



「チューチュートレイン」みたいな事に。

……休み明けにふさわしい、ゆるいネタ。
ベッカーズで朝食を
案の定、今週は正気と思えぬスケジュールに(笑)。
なんかほとんどオフィスに住んでるみたいになってますわ。
マスターキーを持ったビルの掃除のおばちゃんが、毎日早朝、各入居者が出勤してくる前にオフィスのゴミ箱からゴミを回収しておいてくれるシステムになってるんだけど、今週は本来いるはずのない時間にやたら僕がいるもんでおばちゃんをビビらせている(笑)。ロックされてるはずのドアが開いてるわけですね。
「あら、いらした。お早いんですね」
違うのおばちゃん。まだ帰れんの。

人間エライもんでそんな状態でも、ちゃんとお腹が減る。駅前のベッカーズまで行って朝食。



なんか変なの。普段の生活サイクルだと朝ご飯なんて食べないのに。
て言うかコレ朝食と呼んでいいのだろうか? 遅い夜食?

さ、もう一息。一度部屋に帰ってシャワー浴びて頭シャキッとさして、頑張りましょう。
トトロの森に学ぶ。
どうするどうする、仕事は全然終わらない。けど「トトロの森を描いた人。ジプリの絵職人・男鹿和男展」は今日で終わってしまう。どうしようどうしよう。そもそも何が悲しくて日曜日に普通に仕事に追われているですかね僕は。あ〜あ、このエキシビション7月からやってたんだからもっと早く行っておけばよかったなあ。でもこれ無理してでも行かなきゃ「メイキングもの大好き人間」の沽券に関わるし後悔するぞ絶対。「アート オブ スター・ウォーズ展」を見た時の感動を忘れたか。絶対あれに匹敵するクオリティのはずだ。そりゃ行くしかないでしょ旦那。しかしなあ、月曜夕方提出の仕事にメドがたっておらんしなあ……あーどうしよどうしよ。

……と、夕方くらいになってから悶々と悩んだ挙げ句、ええい、パッと行ってチャッと見てサッと戻ってくれば2時間くらいで済む話しだ、行っちゃえ行っちゃえと決意し、Macの電源おとしてオフィス飛び出し東京都現代美術館へ。
最終日(明日月曜も追加開館らしいです)とあってすごい混雑。チケットを買ったのが6時35分。
チケット売り場のお姉さんが釣り銭返しながら言う「ただいま入場まで80分ほどお並びいただいてる状態ですがよろしいですか?」
ひえーっ。
「チャッと見てサッと戻る」作戦、早くも挫折。よろしいですか?と聞かれて、「いいえ駄目です」と答えたところで状況が改善するとも思えなかったので、素直に待つしかないですね。
「はい。待ちますよ」と僕。
「ではあちらの列にお並びください」
「わかりました。閉館は何時ですか?」
「8時です」
どうも、と返事してロビーにできている列の最後尾に着き、ン?、と考える。いま6時35分。80分待つと7時55分。閉館8時。
コラーっ5分しかないやんけとツッ込もうと振り向いたら、既に後続の人だかりに飲まれてしまってお姉さん遥か彼方。
実際には50分ほどで入れました。やれやれ。




(撮影禁止なので、写真は図録)

いやもうね……なんて言うのかな、悔しくなる。上手過ぎて(わかりますかねこの感じ?)。もうね、キーッてなります。
一見細密に見えるアニメの背景画、しかし目を近づけてみるとそのタッチは驚くほど大まかなんですよね。筆の幅を生かして、ポッポッポ、と絵の具を置いていってる感じ。線で輪郭を区切るのでなく、光を面で捕えている、と言えばいいのかな。
宮崎アニメ見てると、例えば同じ外光風景であってもそれが「アドリア海の夏の昼」なのか「日本の秋の夕暮れ」なのか「月明かりの森」なのかが鮮やかに感じ取れると思うんですけど、その辺の「種明かし」がちょいと垣間見れたような。それにしても上手いなあ男鹿さん……。

ショップでは、図録の他に解説付きの画集も売ってました。パラパラめくってみると「空間と面の意識」とか、まさしく僕のデザイン・マインドの核心をウリウリと突っつく解説文が。いわく“「面の整合性」と「パースペクティブ」は別物であり…” “ポイントを絞って省略された画はそれなりの緊張感を画面に漂わせ…”
クーッ、男鹿クン、君わかってるねえ(何様じゃ俺は!)。そうなんですよねー。それって絵画だけじゃなくって僕らのグラフィックデザインにも必要な概念なんだよなあ。ということで、



画集も買ってオフィスに戻って来ました。
うむ、50分待ちは想定外だったけど無理して行ってよかったなあ。今日この後の仕事の修羅場はとりあえず考えないようにして、しばしコーヒーでも飲みながら、画集を眺めていましょうか。