デザインの現場から。と言いつつほぼデジカメの噺。
by MASANOBU HIZAWA(アートディレクター/グラフィックデザイナー)
http://www.neelmartin.com/
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ブルーハワイおかわり頂戴
今週はちょっと多忙モードです。なんで複数のクライアントのラフ提出期限がこうも見事に重なりますのん? きっとどこかに黒幕がいて調整してるに違いない。

さて先日、カメラマンなる人達は機材を買うことそれ自体が好きに違いない、そのうちスタジオに2トン車で乗り付ける懸念がありますよ的な事を書いたのですが、火曜に立ち会ったスタジオ撮影のカメラマンの荷物(2チーム分ですが)、こんなんなりました。



引っ越しか。

ね、「2トン車」もあながち無くは無いでしょう。
とうとう今回カメラマンさんは、スタジオの一角、いつも僕が陣取るテーブルに「僕用の」iMacも設置してくれました。LANを組んで、撮影済みの確認用JPEGを飛ばしてくれるわけです。で僕はBridgeで悠然と画像のチェック。ま、僕がカメラマンさんのモニター覗きに行く手間が省けるってだけですけどね。

しかしこれはそうしますとあれですね、理論上は、デザイナー立ち会いとしての僕はスタジオにいなくってもいいっちゅうコトですね。既に実際、自分のオフィスにいてスタジオから軽いjpegをメール添付でもらってOK出しをしたケースは経験ありますけど、ブロードバンドでLAN接続さえできればもっとライブに、iChatみたいなwebカメラでリアルタイムに会話とかしながら仕事できるわけですもんね。
いやべつにオフィスじゃなくても、なんだったらハワイかどこかリゾートのビーチでトロピカルドリンクをぐるぐるになったストローで飲んだりしながらiBook見て「んー、も少し時計回転にふってみてくれる?」とかiChatしたっていいわけだ。



それいいなあ。たまにこっちのWEBカメラ回して辺りの景色を見せびらかしたりしてね。スタジオの連中に「ちくしょー、やってらんねえよ」とか言われたりして。「いいから次のカットいってよ。あ、ブルーハワイおかわり頂戴」とか言ってみたりして。
はっはっはっは。

………………………………………。

疲れてますね、僕すこし。
どーも先月あたりからブログにおける妄想への逃避の傾向が顕著になってるような……。
アルファとハンズとジーンズと。
しばらく忙しかったこともあって、また長らく(ひと月以上!)愛車をほったらかしにしてしまったもんで、土曜の本日はアルファ君で仕事に出陣。こんな調子だとそのうちほんとにウインカーの操作方法とか忘れてしまうんではなかろうかしら。

えーアクセルは右ね……と確認しながらおそるおそる駐車場からクルマを出して、とりあえず向かうは新宿タイムズスクエアの東急ハンズ。休み明け火曜のポスター撮影に使う小物の板材を買いに向かうなり。山手通りを新宿に向け走行中に、しまった、板材の寸法をメモったラフはオフィスに置いてあるんだと気づき、俺としたことがーと叫びながら丁度まさに横切ろうとしていた目黒通りにハリウッド映画ばりの急ハンドル(※個人の感想です)で右折。いったんオフィスに寄って寸法確認してから再度ジャック・バウアーばりの急発進(※個人の感想です)でハンズへ。先日の打ち合わせの時に、スタイリストさんに「直径40cmの木目調のトレイ」を既製品で何点かレンタルして持って来てもらうよう頼んだのだけど、40cmとなるといい感じの奴があるか保証できないわよとのことだったので、なら予備に普通の板材を寸法通りに切った奴も持ってきてよと軽い調子で頼んだら、スタイリストさんが火を噴くような目で僕を睨んでたもんで、あわてて、あ、それは僕が用意するからと思わず言ってしまったのでした。
ま、なんであれ東急ハンズは楽しいですやね。



うーむ本当は無垢の一枚物の板がいいのだが、ちと高いぞ。話しの流れから考えてこれは僕のデザイン料からの持ち出しになりそうだしなあとセコイ事考えて、ま、どっちにせよ切り落としたコバ面はCG処理するわけだし無垢にこだわる事はないなと自分を説得して合板を選ぶ。加工カウンターで直径40センチの円形に切ってもらうよう頼む。出来上がりは1時間後とのことだったので、棟続きの高島屋へ。加工の待ち時間が出来るのは計算済みだったので、先日高島屋のDESIGN WORKSで買ったジーンズの裾上げを頼むべく紙袋に入れて持って来ていたのでした。もちろん買った時にも裾上げはしてもらったんだけど、洗うと縮むと言われていたのでだいぶ余裕を持って切ってもらっていたのです。で、その後2度程水洗いして影干しして、確かに幾分縮んだんだけど履いてみたらまだ全然「松の廊下」みたいだったので、再度持って来たというわけです。2度手間になって面倒という見方もあるけど、以前最初にイイ感じに裾上げして、すぐ縮んで取り返しがつかなくなって涙するという経験をして依頼、ジーンズ買う時はこうしています。こうして手間をかけてやることで愛着も出ますしね。

東急ハンズで仕上がりの板材を受け取って表に出ると、6時ちょうどなのにもう真っ暗。気温こそまだ高いけれど、どうやらまた気付かないうちに季節がひとつ、変わっていたみたい。
Cake, cake, and cake.


昨日今日と、Xmasケーキカタログの撮影立ち会い。
二日目の今日は、有名どころのホテルや菓子店のパティシエ達の作品が、次々とスタジオに運ばれてきました。
しかしまあ、見事なものですね。「作品」と呼ぶにふさわしいケーキがズラリ。
以前に、某製菓専門学校の学校案内のデザインの仕事で、OB訪問、とやらでプリンスやパークハイアットの現役パティシエへの取材に同行させてもらった事があったんですけど、もう感銘受けましたもんねえ。いや寝ないで働くコトにかけては人後に落ちないアタクシですが(泣)、僕らの業界の比じゃないですよ、あの人たちの働き方は。夜遅くに通常業務が終わってから、毎日、厨房を借りて朝までケーキ・ショーのための作品づくりしたり練習したりしてるんだそうです。ま、店にもよるんでしょうけど、パティシエってタフじゃなきゃつとまらないんだなあと認識新たにしたものでした。

ということで撮影が済んでスタイリストが試食用に小分けしてくれたやつ、僕も敬意を表していただこうと思ったんですが、うー、手が伸びねえ……。

いえ実は昨日の撮影初日にね、ひとホールまるごともらって帰ったんですよ撮影済みのケーキを。で、せっかくだからと夜、事務所で食べたわけです黙々と。ええ、全部ね……。2時間くらい経った頃でしたかね、キャベジン買いに薬局まで走ったのは。

無茶したらイケマセン、何事も。
ずっしりとした胸焼けは今日も続き、スタジオでの昼食は蕎麦をリクエスト。でも写真の仕上がりをチェックする立場ですんで、否応無くモニターに写るケーキをずーっと見続けるわけです。……なんだか食べてもいないのにみるみる血糖値が上昇していくような。思わず自販機で「黒ウーロン茶」買ってしまいました。

いえ嫌いじゃないんですよ、ケーキ。でも「50個の」ケーキに囲まれるというのはなかなかにしんどいものだと初めて知りました。今夜あたりケーキの山に埋没する夢とか見そうで怖いです。
メイキング & Tips「ショッピングモール、冬」
ちょっぴりご無沙汰の「メイキング & Tips」、第2弾いきましょう。
画像処理系の仕事の紹介が続くのもなんだから、何か企画段階のプロセスを見せれるような広告仕事を…と思ってたんですが、中途段階のデータの用意とかが思いのほかめんどくさそうだったので、それはまた今度。
ということで前回も紹介したショッピングモールのポスターの、冬バージョンをば。



この時は、カメラマンさんにお願いする撮影要素は2点だけでした。タレントさんと、リボン巻いた発泡スチロールのボール。



とりあえず切り抜いて、配置。



……これだけだと「空気感」も「奥行き感」もなーんもない、ただの2次元コラージュですね。
ほんの少し、光のニュアンスを出してやると……



少しファンタジックな一枚物になってきたかな? ボールの下が明るくなってるのは、後からキラキラ光る星が溜まる予定なのでその反射という意図。球体への照り返しその他、細かいとこは最後に楽しみながらやりましょう。
この辺は、ドゥルー・ストゥルーザンが描くスターウォーズのポスターのイラストとか、ディズニー映画のアートワークなんかに結構影響されてますね。



真似ではありません、オマージュです……。

なんにしても、この辺は「Photoshopのテクニック」という解釈をされると僕としては困ります。
さて今回も「ひたすら根気よく」のお時間。「キラキラ星」をひとつずつ、配置してまいりましょう。



こんなのも適当に並べると不思議なものでたちまち「奥行きの無い感じ」が出てしまう。必ず3次元の概念の中での、ひとつひとつの位置関係を意識しなくては駄目なんですね。何事もやっぱりデッサン(観察して、描く)が基本になってくるんですね。



軽くした画像をメール添付して代理店さんとやりとりし、幾度かの修正を経てこの段階で一応は完成。
前述の、デッサンとか奥行き感とかいう観点から言わせて頂くと、自分としては若干不満な修正もアリ。最初は彩ちゃんの手からキラキラが溢れ出る、というイメージ(手より上側にはキラキラは無し)だったんですが、画面上部もキラキラさせて、いっそ空から星がキラキラと舞い落ちてくる感じにできないかというオーダーが中途で入りまして。確かに賑やかにはなるだろうけど、明らかに距離感やスケール感が破綻してしまうので僕的には嫌だったんですよね。ま、スケール上のリアリティーも大事だけどファンタジーも大事という先方の言い分にも一理も二理もあるのでシブシブ納得。で、これでクライアントさんのOKも出たんですが……
翌日になって代理店ディレクター氏からコメントが。「リボンが無地ってのが、なんか寂しいかな」。
実は僕も同じこと思ってたんです。
白い玉は「cocoon=繭」という店名からきたアイコンで、それにリボンをかけることでクリスマス・ラッピングを象徴してるわけです。クリスマス・ラッピング用のリボンが無地ってのはいかがなものか。
その旨言ってみたら、
「…この無地のリボン用意したのヒザワさんじゃないですか」
そうだった。すいません。
しかしもはや撮り直しの時間はないし、そもそも店名やMerry Xmas等のメッセージの入ったリボンの現物もない。
「CGでなんとかなりません?」と言われたものの、さすがに技術的な裏付けが思い浮かばず即答はできませんでした。3D? いやあ相手は複雑な結び目もある布だ。柄の位置をピタリと合わせるなんて芸当は僕には無理。そこで、現時点の仕上がりでクライアントさんのOKが出てるのをいいことに「預かり」の課題にさせてくださいと頼む。今日一日トライしてみて、うまくいったら提示させてもらう、ということにしてもらいました。
「キラキラ星」を200個とか並べる作業で朝を迎え精魂尽き果ててたんですが、アタクシにも意地っちゅうもんがあります。じっちゃんの名にかけて(?)なんとかしてみせようぞと決意してMacに向かう。
画像をガイドにして、イラレとフォトショで「柄」を2次元で描いてみました。



こんな感じ。Tipsとか言いながら、どーやって作ったのか覚えてません。
リボンの生地質感を殺さないように合成し、その後せっかくだから照り返しや光の回り込みなんかを存分にやって、200以上あったレイヤを全て定着させ、企業秘密の雰囲気出しの魔法をモジョモジョと(切り貼り感の生っぽさを消す作業ですね。ま、ほとんど自分の気が済むようにやってるだけですけど(笑))かけて……



完成。
さっきも書きましたが、デジタル云々、CG云々というより限りなく絵画的な発想で描いたビジュアルになった感じでした。
記述した事以外にも、こちらの意図する世界観がなかなか代理店さんサイドに通じなかったりする事もあって道中はしんどかったですが、なにより最終的にクライアントさんが喜んでくれて、また買い物に来たお客さんからの評判も良かったという報告を頂けたのが何よりの酬いでした。

次回はなにか、発想とかアイデアとか、そっち系の案件の話しを書こうかな。と言いつつこのシリーズ、あとふたつあるんでネタに困ったらまた書きます。
クリスマスケーキ×50


業種が何であれ商品カタログを作る場合は、たいていは撮影前に一度掲載商品をチェックする機会、というのがあります。この1年お手伝いさせて頂いてるアパレル某社さんの場合は、カット別に区分けされたコーディネートを事前に見せてもらえるし(モデルさんはフィッティングをし、スタイリストは小物探しの参考にし、僕は……何するんだ?、えー、紙面のイメージを作り)、やはりここ数年お世話になっている百貨店さんの場合だと、各商品の売り場担当者さんが掲載商品を持ち寄って開かれる説明会というのが必ず行われます。
ま、撮影あるいはデザインの段階に入るまで何が来るのかわからないという案件も実際ありますけど、やはりこうしてプロセスがきちんとしているといいですね。僕としてもよりキチンとしたディレクションやデザインができます。
そんなわけで今日はクリスマスケーキ50個(!)のオリエンを受けてまいりました。
話しを聞いただけなのに終わる頃には若干体脂肪率が上がってたような。
さすがにまだ現物を持って来てもらえる物は少なくデザイン画だけの資料だったりするのもありましたが、凄いですよー、最近のスイーツはクリエイティブで。ということで来週の撮影では、最新のスイーツのトレンド、体感(ものによってはツマミ喰い)して来ますです。
とりあえず一度実機を見てみたい。
無事に、今回のひと山は乗り切った感じ。
やれやれとweb巡りしてたら、来ましたねー、新型iPod。



……これは、要するにアレですか、「電話のかけれないiPhone」という理解でいいんでしょうか(わざわざそんなひねくれた言い方しなくてもいいじゃんかという気もしますが)。
でも「あり」かもしれないですね。iCalのアイコンも見えてますから、PDA的な使い方もできそうですもんね。うーむ、sonyのCLIEに挫折して3年、スケジュール管理はやはり紙の手帳に限るぜ、とQUOVADISを愛用してきたんですが、そそる奴が現れよったなあ。
でもこれ、iPhoneの画像見た時も思ったんですけど「画面を下にして」落としたら、絶対悲劇だよなあ…。
続・今夜が山田
ふう、もう少し。今日でなんとか今回の仕事のヤマも乗り切れそうです。とりあえずA4レイアウトをあと2頁。

さて、昨日の「妄想への逃避」、書いてから思い出したんですが、あれって「コラテラル」でジェイミー・フォックス扮するタクシー運転手が同じ事やってましたね。サンバイザーの裏にリゾートの写真(なんか写真まで似てるし)挟んでおいて、うざい客なんかが乗ってくると写真の世界に逃げるという。なんとも評価のしようのない映画だったけど、あのシーンは良かったな。






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・・・はっ、

危なかった。アップする写真にまたしても見入ってしまいそうになってどうする。
わかってますってば。はい、仕事に戻ります。
今夜が山田




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・・・・・・・はっ。

すいません、先週末からなんか忙しくってずっとデスクで仕事してるもんで、思わず束の間、妄想の世界に逃避してました。
それにしても気づいたら自分が遠い目で半笑いしてるというのは不気味ですね。
冷たい水で顔洗って仕事に戻ります。