プロ・スポーツには一生の間に幾度も見られないミラクルプレーってのがある。
ゴルフでの「アルバトロス(パー5を2打でカップイン。ホールインワンより稀で、僕はVTRですら見た事がない)」、サッカーでの「キックオフしてそのままゴール(カズが昔やりましたかね?)」。
そして野球。二遊間でトスしての1塁封殺。
若干マニアックな話しになりますが、これどういうプレーかと言いますと、
二遊間深くへのゴロにセカンドが追いつく…
しかしその状態から体勢を立て直して踏ん張って1塁に投げてももう間に合わないので、駆け寄ったショートにグラブトス…
ほいでショートが1塁で刺す。
とまあ、そういうプレーです。
これ、ボールの回りとしてはゲッツーと同じですから一見そんなに難しく思えないんだけど、これまで僕が目撃(VTR含め)したのはこの画像の中日の井端・荒木が昨年9月にやってのけた時と「ドカベン」で殿馬がやった時だけ。
なんでこれがゲッツーより稀なのかと言うと、ゲッツーをとる場合は二遊間はもともと2塁ベース寄りにシフトを取ってますし、また結果としてゲッツーが成立した場合は打球が早かったという条件も加わるんですね。
無走者の状態で二遊間へのゴロで1塁でひとつアウトを取る時、
1. 定位置にいたセカンドが早い打球に追いつけた場合は自分で投げても間に合うし、
2. 自分で投げても間に合わないような深い位置に飛んだ早い打球はそもそも捕れない。
3. 打球がハーフスピードで追いつけた場合でもトスを受けるショートの接近が間に合わない。その距離でボール回しても1塁は間に合わない。
要するにそれぞれ定位置にいたセカンドとショートが十分に接近できるだけ緩い打球が飛び、それにセカンドがギリで追いつけて、かつ神業みたいなトス回しができた時にしか完成しない幻のプレーなんです。
これまでプロが(それも名手、井端・荒木が)成立させたのを一度見たきりだったこのプレー、実は昨日の甲子園高校野球でひとつ成功したみたいですね。高校生すげー。スポーツを「観る側」としては、こういうミラクルプレーはホントに楽しい。
で、アマチュアは影響されてつい自分でやってみたくなるんですな。
ええ、草野球でセカンド守ることが多いアタクシ、以前練習の時にこの二遊間プレーを幾度か試したことが……。普通のゲッツーさえとったこともないくせに、てかもう動きが鈍くて普通のゴロをアウトにするのもあやういヘタクソのくせにたいがいにせーよって話しなんですけどね。
もう守備範囲が極度に狭いもんですから、ベース際に飛んだ打球なんかは追う意思すら示さないんですよアタシってばもう。定位置からほんの2mくらい2塁ベース寄りに行った当りを必死に捕って、やおら、まだ遥かかなたにいるショートに向かって、ボヨ〜ンと山なりの長〜いトスを上げるもんだからショートがびっくりするわけです。意味わからなくて「なにしてんですか?」とか言われてしまうという。それでも何度かやってるうちに企画意図はわかってくれたようなんだけど、3回目くらいで「…そんな位置なら自分で投げるほうが明らかに早くね?」と冷静に言い放たれてしまいました。
今週末から、草野球部にメンバー入りさせてもらってるクライアント某社が参加する秋期野球大会が始まるものでして、なんとかこのプレーを一度でも…と諦めも悪く企んでいる僕。
いや可能性は無いでは無いんですよ。つまり打者走者の足が極度に遅ければ……
低レベルな守備しかできないのであれば、相手により低レベルな走塁を求めるというこの姿勢、どうしたもんでしょうか。