デザインの現場から。と言いつつほぼデジカメの噺。
by MASANOBU HIZAWA(アートディレクター/グラフィックデザイナー)
http://www.neelmartin.com/
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

僕のせいではないとは思うのですが…


「Suica」の電子マネーで買い物したり、お茶買ったりする機会が増えてきました。小銭要らずで便利ですもんね。でもこれってまだ都市圏だけの話しですから、スイカだのパスモだのとニュースでは聞いててもなんのこっちゃという人達も多いわけです。
今日、打ち合わせの帰途、山手線のホームで缶コーヒー飲もうと自販機にSuicaをかざそうとしたら……
「あ、やるよやるよ!」セーラー服姿の女子高生が高い声をあげた。修学旅行ですかね。話しには聞いていた電子マネーを「実演」する人が現れた、ということでしょうな。
「ユミ! おいでって、(この人が今から)スイカやるし!」
予期せぬ展開に僕は当惑しつつも、流れとしてユミチャンがくるのを待たねばいけない感じだったので、Suicaを構えたまま、待った。結局、四人の女子高生が目を輝かせて半円形に僕を取り囲むという図になった。
……これは何か一発ギャグでも披露しなくてはいけないのではないのだろうかという雰囲気だったんだけど、気の利いたことが何も思い浮かばなかった。なんと情けないことだ、日ごろの修練が足りないね僕は。
で結局、では、とか会釈してからおもむろにSuicaでタッチした。ゴトン、と缶コーヒーが出てきた。それだけだ。
女の子たちは、期待したほどには面白くなかったらしく、無表情に立っている。僕は僕で、微笑んだまま、この変な空気をどうやって収束させれば良いのかと焦りまくっていた。やがて彼女たちは、ふうん、とつぶやきを残して反対側のホームの電車に乗り、去って行った。
残った僕は、代打で登場して三振したような、よくわからないけどなにかとても申し訳ないことをしてしまったような気分で、ひとり缶コーヒを飲んだ。
翻訳の雰囲気


今年も、休暇の時には文庫本を2冊、持って行きました。ほんとはその「お供」を選ぶために半日くらいかけて書店をうろつくのが毎年楽しみなんですが、今年はなんせ出発日の明け方まで仕事してたもんでそれが叶わず、慌ただしく成田の本屋で横山秀夫の短編集「深追い」とロバート・B・パーカーの「サニー・ランドル」シリーズ「虚栄」を買った。「深追い」のほうは期待通りの面白さで(相変わらずちょっと都合のいい所もあるんですが)行きの機内で読み終えてしまった。で、「虚栄」。読み残してたラストをさっき読んだんですが……。ウム。
パーカー節健在、と言えることは言えるんだけど、どーなんだろ。あまりに現代調すぎて雰囲気には欠けますねー。そもそもジェッシイ・ストーンとかスーザン・シルヴァマン(なぬ!)とか、他のシリーズのキャラがばんばん出て来るってのはいかがなものかいな? なんとなく「ゴジラ vs ガメラ」を見せられたような興ざめを感じるのは僕だけでしょうか。

それとも、翻訳のトーンのせいなのかなあ。
菊池光サンのあの、いや普通そういう喋り方はしないでしょう、という潔い直訳調---

「トップの人間は孤独だ」私がスーザンに言った。
「しかし、物静かじゃないわね」
「黙らないと殺すぞ、と嚇してみたらどうだろう」
「効果はあると思うけど、今夜のその後の気分が多少損なわれるかもしれない」(「拡がる環」より)

が好きだった僕としては、完璧に現代語調でバシっと訳し切られてしまうと、活字の奥にある「雰囲気(異国感その他)」への想像力が断たれてしまって翻訳ミステリーの楽しみが減ってしまう感じがする。
となると、僕にとっての「作家」とはチャンドラーやパーカーではなく、もしかしたら清水俊二であり菊池光だったのかもしれないですね。ということで「虚栄」読後感としては少し欲求不満アリです。
んー、雰囲気いっぱいの面白い一冊、ないですかね?
今年も嘘を書きました。


東京ビッグサイトで開催中の「RFID EXPO」へ。出展しているF社のブースのグラフィックを手伝ったので、その仕上がり観察です。
毎度のことなんだけど僕がこうしてビジネス系のイベントに出掛ける場合、イベント本来の来場目的(つまり展示されているソリューションの導入検討や視察)とは縁もゆかりもない立場、ということになるワケです。
入場に際しては所定の用紙に会社名や役職等を書き込み、いくつかのアンケートに答えないとパスがもらえない。で、主催者側もブースのデザインしたデザイナーの来場など想定してないもんだから、このアンケートがスケール大きすぎて毎度難儀なのです。

Q1. 貴社の業種は?
A.製造業 B.流通 C.運輸・物流……

えー「その他」、と。

Q2.来場の目的は?
A.導入製品の検討のため B.情報収集のため……

うーん「その他」、と。

Q3.貴社の従業員数は?
A. 100人以下 B.101〜499人……

いきなり「100人」が境界線かい!

軽くむかついたので、Eの「5,000人〜9,999人」にマルつけちゃった。
そう言えば去年もこのイベントで「5,000人〜9,999人」にマルしたなオレ。それ以来、主催者から、是非次回はこのイベントに「出展」しませんかというDMやメールが届いて困っています。
ごめんなさい、つまらぬ虚栄心からアタクシつい嘘を書きました。今年もつまらぬ茶目っ気からアタクシつい嘘を書きました。十分に反省してますので、だからもう出展要請はしないでください。
ブンカテキな夕食


夜、プロダクトデザイナーY氏のオフィスで打ち合わせを終え、自分のオフィスに帰ろうかなと腰を浮かせたところで「メシ喰っていきませんか? テイクアウトの弁当ですけど」と誘われる。せっかくだからと甘えることにしました。Y氏と事務所のスタッフが、ミーティングテーブルの上に散らかった資料をいったん片付け(書類のコピー用紙を裏返してランチョンマット代わりにし)、「夕方、幕張に行ってたもんでカルフールで買って来たんですよ」と言いながらチンしたドライカレー、器に盛りつけたサラダ、赤ワイン、を手際よく並べていく。えらい優雅な食卓になった。
思わず「すごいね」と言うと、「いやーメシには気合い入れてますから」とY氏。
その後も打ち合わせと仕事があるんでワインはひと口だけで遠慮させてもらったんだけど、でも感心してしまった。
僕らの業界、時間的にキツいこともあってどうしても「適当に済ませる」という感じの食事になることが多い。けど「食」をおろそかにせずきちんと楽しむ人ってのは魅力的ですよね。なるほどテイクアウトのボックス・ディナーであってもこうしてちょっと工夫するだけで文化的な食事になるんだなあと感心し、よし、おれも明日から、たとえオフィスでコンビニのおにぎりひとつ喰うんであっても、いったん白シルクのディナー・ジャケットに着替えてから蛍光灯消してキャンドル灯して、ビバルディーの弦楽協奏曲のCDかけながらナイフとフォークでおにぎり喰ってやるぞと決意するのでありました。
キートスの国
I am still in Helsinki because the airplane got a trouble.......

なんちって、うそですよ。帰って来てしまいました。
今日のうちに提出しなくちゃならないラフもあったので、またしても成田から事務所直行。余韻もなにもあったもんでないですね(泣)。

いやーでもお陰さまで、もう思った通りにというか想定以上にというか、まったりとした素敵な時間を過ごしてくることができました。やっぱいいなあ北欧は。






(一番下、「かもめ食堂」は行ってみたんですが営業時間外で…涙。でも「かもめ食堂に出て来た海辺のカフェ」はいったもんね、の図)
向こう行って思い出したんですが、フィンランド語で「ありがとう」は「キートス!」。そうそう、そうだった。なんともその語感が優しく暖かで、学生の時のツアーでみんななんだかキートスが気に入ってしまい、帰国してからも参加メンバー間では何かと言えばキートス、キートス言ってたのを(馬鹿だね^^)思い出したりしてました。
今回も、カフェでキートス、デパートのレジでキートス、路面電車に乗り込んでは運転手さんにキートス(…今考えるとそれは間違いだよ。乗るなり「ありがとう」は変でしょうがね)と、たくさんのキートスを言い、また言われて来ました。
もちろん仕事のスケジュールを色々都合してくれたクライアントの皆様にもキートスです。なんと言うか、干からびたスポンジを水にじゅわっと浸して水分復活したような、そんな感じ(って誰が干からびたスポンジじゃ)ですわ。
キートス、キートス!
From Finland
Hi!
I am writing this at the internet cafe in Finland.
I come to Finland after an interval of 19 years.
Helsinki is very calm, and scenery has not changed.
I feel that it is very nostalgic and very glad.
Tomorrow, I go to see "Forest and Lake".
I return on the Tuesday morning.
See You(^^)!
穏やかなる、フィンランドへ。


明日から北欧フィンランドへ、ささやかな休暇に行ってきます。それにしても北欧好きですね僕も。スカンジナビアの何が僕をこんなに惹き付けるんだろうな?

今年はいわゆる「連休前進行」ってやつが若干キツかったですね。8日火曜の朝には戻るので、平日で数える限り月曜日1日お休み頂戴するだけなんですが、いろいろマネジメントが難しくってひとつお断りしなければいけない案件も出てしまいました。モッタイナイですが、かと言ってここで休まにゃ休暇なんぞとれなくなるのは過去実証済みなので、堂々と行ってまいりますね。
でもね連休前進行キツかった、と過去形で言ってる場合でなくて、今日のうちにデータを送らにゃならない案件がまだあって、原稿がまだ届いてないところもあったりして……。
…行けるんでしょうな俺。心配になってきた(笑)。

フィンランドも学生の時以来19年ぶり。ヘルシンキの街は、きっと変わらぬ穏やかさで僕を迎えてくれることでしょう。
IT先進国ですから、ホテルかネットカフェかなにかしらでweb環境はあるでしょうから、今回も現地からの更新、挑戦してみます(日本語入力はできないでしょうけど^^)。
ゆっくりしてきます。無事に仕事終えて出発できる事を祈りつつ(笑)、それでは。