デザインの現場から。と言いつつほぼデジカメの噺。
by MASANOBU HIZAWA(NEEL MARTIN DESIGN OFFICE)
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Real
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LUMIX G 20mm F1.7 ASPH. on OLYMPUS E-PL3 2012 Tokyo

「独立して3年経った」とか「フリーになってなんとか5年もった」とか、クリエイター仲間のそういう話しをブログやFacebookで最近いくつか読ませてもらいました。本当に嬉しくなるし、励まされる。
「就職して何年経ちました」みたいな時にはとりたててそんなアニバーサリー感はなかったものなんですが、ホントにリアルになってくるんです、僕らにとってそういう事は。
自分の場合もそうだったけど就職した会社で数年の経験を積んで30歳前後でクリエイターが独立するような場合、お金の蓄えなどなく…という感じでスタートするケースがほとんど。必要な機材や道具も稼ぎながら揃えていくことになるから、家具だ旅行だといったものはすっかり後回しになる。
でもそれだけに、ものごとや人に対する有り難みや感受性が凄くリアルになってくるのです(ま、それもそれで功罪あるでしょうけどね)。
有り難いことに少なくとも目先の心配はいらなくなったはずの今でも、毎月、とりあえず「今月の家賃」分の仕事した時の安堵感はいまだにあるし、苦労して買った商売道具への愛着はひとしお。世間的に見てどうかじゃなしに、自分がそれを誇りに思えるか否かが指針になってくる。
能力一本、後ろ盾無く生きる中にあっては、信じられないような理不尽な目にどうしても遭うことになるし、無体な扱われ方に悔し泣きしたことのないフリーのクリエイターなどたぶんいないと思う。
他方で、クライアントさんや代理店さんとの相互のリスペクトに満ちた中で仕事を成立させられた時とか、ブーブー文句言いながらやった仕事でも最終的には誰かの役に立てたんだなと実感できた時とか、バブルの残党を追っ払って新しい価値観で何事かを完成させた経験、といった財産をひとつひとつ重ねるうちに、毎年の、毎月の、毎日の純度はどんどん高いものになってくる。

先日、今期から新しくお世話になる会計事務所さんに過去12年分の帳簿を見てもらいました。「あまりにささやかなんで恥ずかしいんですが…」と言った僕に対して税理士の先生が、ひととおり目を通した後に「たいへん立派ですよ。商売的にという意味ではないですけど」とおっしゃってくださって、いまひとつ意味がよくわからなかったけどなんだか嬉しかった。

一気にどーん、ということの無い世界だ。「緩い登り坂」を絶えず自転車で進んでいくような毎日。そのほうがいいと思う。ホントに登り坂なのかわからないほどの緩さだけど、ペダルを漕ぐのをやめると自転車は後進しようとするから、ああ、やはり登り坂なんだな、とわかるくらいの緩さでいい。そんなのでも1年くらい漕いでたまに後ろを振り向くと、出発点は眼下の結構低い所に見える。ささやかな実感だけれど、その標高はとても尊いんじゃないかと、そう思うのです。

今日も感謝と敬いを忘れずにペダルを漕ぐ仲間達に、乾杯。
itamuraさま

ありがとうございます。フリーランス大先輩からのコメント、大変嬉しいです。インターネットによる指向の集約とは不思議で面白いですね、好みの写真テイストをwebで探し彷徨ううちに、私もitamuraさんのblogとツイッターはフォローさせていただいております。ちなみに北陸の物欲の巨匠(笑)とは先日お会いさせていただきました。今後とも宜しくお願いいたします。
ヒザワマサノブ | 2012/12/05 02:55
はじめまして。
胸に染み入る文章に思わずコメントさせていただきました。私もフリーランスとして同じ思いで日々過ごしております。
「感謝と敬いを忘れずに・・・」仰る通りですね。
Itamura | 2012/12/04 23:18
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