デザインの現場から。と言いつつほぼデジカメの噺。
by MASANOBU HIZAWA(NEEL MARTIN DESIGN OFFICE)
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メイキング & Tips「ショッピングモール、冬」
ちょっぴりご無沙汰の「メイキング & Tips」、第2弾いきましょう。
画像処理系の仕事の紹介が続くのもなんだから、何か企画段階のプロセスを見せれるような広告仕事を…と思ってたんですが、中途段階のデータの用意とかが思いのほかめんどくさそうだったので、それはまた今度。
ということで前回も紹介したショッピングモールのポスターの、冬バージョンをば。



この時は、カメラマンさんにお願いする撮影要素は2点だけでした。タレントさんと、リボン巻いた発泡スチロールのボール。



とりあえず切り抜いて、配置。



……これだけだと「空気感」も「奥行き感」もなーんもない、ただの2次元コラージュですね。
ほんの少し、光のニュアンスを出してやると……



少しファンタジックな一枚物になってきたかな? ボールの下が明るくなってるのは、後からキラキラ光る星が溜まる予定なのでその反射という意図。球体への照り返しその他、細かいとこは最後に楽しみながらやりましょう。
この辺は、ドゥルー・ストゥルーザンが描くスターウォーズのポスターのイラストとか、ディズニー映画のアートワークなんかに結構影響されてますね。



真似ではありません、オマージュです……。

なんにしても、この辺は「Photoshopのテクニック」という解釈をされると僕としては困ります。
さて今回も「ひたすら根気よく」のお時間。「キラキラ星」をひとつずつ、配置してまいりましょう。



こんなのも適当に並べると不思議なものでたちまち「奥行きの無い感じ」が出てしまう。必ず3次元の概念の中での、ひとつひとつの位置関係を意識しなくては駄目なんですね。何事もやっぱりデッサン(観察して、描く)が基本になってくるんですね。



軽くした画像をメール添付して代理店さんとやりとりし、幾度かの修正を経てこの段階で一応は完成。
前述の、デッサンとか奥行き感とかいう観点から言わせて頂くと、自分としては若干不満な修正もアリ。最初は彩ちゃんの手からキラキラが溢れ出る、というイメージ(手より上側にはキラキラは無し)だったんですが、画面上部もキラキラさせて、いっそ空から星がキラキラと舞い落ちてくる感じにできないかというオーダーが中途で入りまして。確かに賑やかにはなるだろうけど、明らかに距離感やスケール感が破綻してしまうので僕的には嫌だったんですよね。ま、スケール上のリアリティーも大事だけどファンタジーも大事という先方の言い分にも一理も二理もあるのでシブシブ納得。で、これでクライアントさんのOKも出たんですが……
翌日になって代理店ディレクター氏からコメントが。「リボンが無地ってのが、なんか寂しいかな」。
実は僕も同じこと思ってたんです。
白い玉は「cocoon=繭」という店名からきたアイコンで、それにリボンをかけることでクリスマス・ラッピングを象徴してるわけです。クリスマス・ラッピング用のリボンが無地ってのはいかがなものか。
その旨言ってみたら、
「…この無地のリボン用意したのヒザワさんじゃないですか」
そうだった。すいません。
しかしもはや撮り直しの時間はないし、そもそも店名やMerry Xmas等のメッセージの入ったリボンの現物もない。
「CGでなんとかなりません?」と言われたものの、さすがに技術的な裏付けが思い浮かばず即答はできませんでした。3D? いやあ相手は複雑な結び目もある布だ。柄の位置をピタリと合わせるなんて芸当は僕には無理。そこで、現時点の仕上がりでクライアントさんのOKが出てるのをいいことに「預かり」の課題にさせてくださいと頼む。今日一日トライしてみて、うまくいったら提示させてもらう、ということにしてもらいました。
「キラキラ星」を200個とか並べる作業で朝を迎え精魂尽き果ててたんですが、アタクシにも意地っちゅうもんがあります。じっちゃんの名にかけて(?)なんとかしてみせようぞと決意してMacに向かう。
画像をガイドにして、イラレとフォトショで「柄」を2次元で描いてみました。



こんな感じ。Tipsとか言いながら、どーやって作ったのか覚えてません。
リボンの生地質感を殺さないように合成し、その後せっかくだから照り返しや光の回り込みなんかを存分にやって、200以上あったレイヤを全て定着させ、企業秘密の雰囲気出しの魔法をモジョモジョと(切り貼り感の生っぽさを消す作業ですね。ま、ほとんど自分の気が済むようにやってるだけですけど(笑))かけて……



完成。
さっきも書きましたが、デジタル云々、CG云々というより限りなく絵画的な発想で描いたビジュアルになった感じでした。
記述した事以外にも、こちらの意図する世界観がなかなか代理店さんサイドに通じなかったりする事もあって道中はしんどかったですが、なにより最終的にクライアントさんが喜んでくれて、また買い物に来たお客さんからの評判も良かったという報告を頂けたのが何よりの酬いでした。

次回はなにか、発想とかアイデアとか、そっち系の案件の話しを書こうかな。と言いつつこのシリーズ、あとふたつあるんでネタに困ったらまた書きます。
itoさま
なんだか今回はTipsのTの字も無い感じになってしまいました^^;
ヒザワマサノブ | 2007/09/15 18:25
「メイキング & Tips」良いですね。
画像処理をしている身として、ご苦労が手に取るように分かります。
第三弾楽しみにしています。
ito | 2007/09/15 11:09
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