デザインの現場から。と言いつつほぼデジカメの噺。
by MASANOBU HIZAWA(NEEL MARTIN DESIGN OFFICE)
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リッチなブラック


リッチブラック。通常の4色オフセット印刷で、K100%より深みのある黒を再現したい時にC、M、Y版も掛け合わせて出す黒のことをそう呼ぶのですが、その掛け合わせ数値は人によってそれぞれだったりします。そもそもリッチブラックは、安易に使うと失敗することもあるし、小さな面積や文字等に使っても効果がないですし、印刷工程では乾きが悪くなったり裏写りしやすくなったりするので印刷会社さんからは基本的には好まれないことが多いです。なので僕は、比較的「安全に」リッチブラックを使いたい時には、C50・M40・Y40・K100、という数値を使ってますが他のデザイナーはどうしてるのかな? ただそれはIllustrator等デザインソフトで色指定を入れる時の話しであって、例えば黒背景の製品写真を角版で配置するような場合、その背景の黒(あくまで写真としての)は、CMYK分解された時には特に調整しないかぎり自ずとよりリッチなブラックになります。ちなみにphotoshopでカラープロファイルをJapan Color 2001 Coatedにしている場合のデフォルトの「真っ黒」はC93・M88・Y89・K80という、かなーりリッチな掛け合わせになります。
で、今回とあるメーカーさんのパンフレットのデザインをさせていただきまして、そのメーカーさんというのはおそらく画像データの色においては日本有数に厳密なはずで(なにしろ画像データそのものを産み出す製品を出している、皆さんご存知のところです)、そこから頂いたCMYKデータの「真っ黒」部分というのが上記のphotoshopのデフォルトとはまた微妙に違う数値で、僕としては、おお、かの○○社が採用?してるリッチブラックの数値を図らずも知ってしまった、これでまた新たなノウハウが蓄積できた、と、ひとりMacの前で冷たい微笑を不気味に浮かべていたのでした。と、ここまでは前置き。
本題は何かと言うとですね、昨日入稿したそのパンフレットで、そのかなーりリッチなブラックの上にゴシックMBの「Light」を4.5ptの白ヌキで、という、いささかシビアな配置をした箇所がありまして……。白ヌキ文字というのはインクが何も無い状態(CMYK各0%)で再現されるわけで、その背景がリッチブラックですと4つのインクがその周囲から攻めてくるわけで、インクの盛り上がりが侵略してくることで細い白ヌキが潰れてしまいやすくなる。
経験上、これキビシイかもなと思って、フォントを「Regular」にして少し大きく直した「Bバージョン」もお渡ししたのですが、印刷の現場のほうから、元のほうで頑張るという連絡。頼もしい。

……何の話しをしようとしてるのかだんだん自分でもわからなくなってきたのですが、DTPの時代にあっても印刷物ってのは紙にインクを刷ってできるのですから、僕らデザイナーはインクや紙に対しての勘を鈍らすことなく仕事しなくてはいけませんですね、ということではなかろうかと思います(客観的になってる)。
たまにはグラフィックデザイナーらしいことも書かなくてはと思い、ウンチクっぽいことを書き始めたもののなんだか収拾がつかなくなってまいりましたがせっかくここまで書いたのでアップしておきます。それでは皆様お休みなさい。
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